2020年3月7日(土) 1回阪神3日

 この日の芝は良馬場だったが、ダートは重~稍重で施行されたようにパンパンの馬場とはいかなかった。それでも、まだ開幕週2週目で時計はそれなりに出ているし、全体的に内めを回った馬の活躍が目についた。レースは昨年暮れの阪神JF上位4頭が揃って出走して注目を浴びた。前半の半マイルが47秒1で、後半が46秒2。上がりの競馬になったが、走破時計1分33秒3は例年と比較しても悪くなく、レベルは上々。

 マルターズディオサがハナの差でレースを制して重賞初制覇。昨年デビューしたキズナ産駒は函館2歳S、京成杯に続くJRA重賞3勝目。外枠からスーッと上がっていって、3角では好位の外。勝負処の手応えに余裕があったのは阪神JFと同様でも、1番人気が溜め逃げしてくれたことで切れが鈍ることもなく、最後は最内から脚を伸ばすクラヴァシュドールとの叩き合いを制してゴール。レースへの対応力という点ではこの馬が一番だ。

 クラヴァシュドールはテンションが高く、マイナス6㎏と細いぐらいの仕上がり。今日の馬場で好位のインをロスなく立ち回れたアドバンテージはあるだろうが、4角大外から脚を伸ばした阪神JFとは全く違う競馬に奥の深さを感じさせた。

 昨年の最優秀2歳牝馬レシステンシアは③着。戦前、「前走はハナに行く競馬でしたが、他馬の出方もありますからね。いろいろ試せる機会ですし、次につながるレースをしてほしいと思っています」と陣営が語っていたが、トップスタートで自然とハナへ。ただ、前回は33秒7で逃げたところを今回は35秒1。また、これまで自身が使った最速の上がりは34秒9。前半より後半が速いレースも今回が初体験だった。本質はスプリンター。やはり瞬発力勝負よりもスピードの持続力で押し切る競馬の方が良さそうだ。負けはしたが、前哨戦で糧となる経験ができたことは大きいし、次はひと叩きした上積みも見込める。

 イズジョーノキセキはレース最速の上がり33秒1で4強に割って入った。今日の馬場を考えると、同じく後方から外に出して伸びてきたスマートリアンと共に中身の濃い内容だったと言える。4強の一角ウーマンズハートは⑥着。実は紙面予想で4頭の中では唯一無印にしていた。理由はそれぞれ先を見据えた仕上げの中でも一番余裕残しの調整だと感じたから。着外は少し物足りないが、ある意味予想通りで、本番は大きく変わってくる可能性もある。

 

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