2020年4月11日(土) 2回阪神5日
ヴィクトリアマイルの前哨戦である阪神牝馬Sは16頭立てで行われ、2番人気のサウンドキアラが優勝。騎乗した松山弘平騎手、管理する安達昭夫調教師はともにこのレース初制覇。
レースはトロワゼトワルがハナにこだわり、前半の半マイルは46秒5と淀みのない流れを作った。直線に向くと3番手からディメンシオンが逃げ馬を交わしに行き、そのすぐ外に進路を取ったサウンドキアラが一気に突き抜けてゴール。②着にはスカーレットカラーが追い込み、ディメンシオンが③着に粘った。
勝ったサウンドキアラはこれで今年に入り京都金杯、京都牝馬Sに続いて重賞3連勝。得意な京都だけではなく、勝ち鞍のなかった阪神でも結果を出したことで本格化を更に印象づけた。昨年のヴィクトリアマイルでは不利な17番枠ながら0秒7差の⑦着と健闘。当時はまだ1000万下を勝ったばかりだったが、今年は有力馬として胸を張っての参戦となる。
スカーレットカラーはスタートでバランスを崩して後方からの競馬に。あとはいたずらに動かず外にも出さず、直線でも進路が開くまで我慢しつつ前との差を詰める。馬群を割ったのは1ハロン標を過ぎてからだったが、そこからの伸びはさすがだった。前、内有利の馬場傾向を考えても優秀な内容。16㌔増でまだ余裕残しの造りにも見えただけに、本番に向けて視界良好。
ディメンシオンは好スタートから3番手のインに控え、直線で抜け出す完璧なレース運び。これで差されたのだから上位2頭を褒めるしかない。昨年秋の京成杯AHでもそうだったように、マイル戦で積極的に運べればいい競馬ができる。
ビーチサンバは中団の内から差を詰めたが、速い脚を使えたわけではなかった。道中でサウンドキアラの直後につけることはできたが、そこまでは結構仕掛けられていたことからマイルでも少し忙しい印象。秋華賞で見せ場を作ったように、小回りの1800~2000mがベストな気もしてきた。
ダノンファンタジーは好位の外でこの馬としては折り合った方だろう。直線に向くまでは良かったが、肝心の追い出してからがピリッとしなかった。22㌔増でも成長分がほとんどで太くは感じなかったが、いくらか馬体に緩さは感じられた。次走はもっと動ける状態になっているはず。
心配なのはしんがり負けのシゲルピンクダイヤ。中団の外から動いていく形では、この日の馬場だと厳しくなるのだが、道中ではモタれていたし、最後は鞍上も無理していなかった。テンションの高さが今は悪い方に出ているのかも。発走調教再審査となったので、立て直されての復調を待ちたい。
text by 石井大
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