5月8日(日曜)に東京競馬場で行われた第27回GⅠNHKマイルカップ(芝1600m・3歳・晴れ・良馬場)はダノンスコーピオン(単勝4番人気)が内・外離れての追い比べを制して優勝。騎乗した川田将雅騎手、管理する栗東・安田隆行調教師ともNHKマイルカップは初勝利。ダノンスコーピオンは北海道新ひだか町ケイアイファームの生産馬。馬主は㈱ダノックス

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 主導権を握ると目されていたジャングロが出遅れてしまったことで、「2番手につけたい」と考えていたキングエルメストウシンマカオオタルエバーがハナ争いを演じる形に。トウシンマカオが先手を奪いましたが、半マイル通過は45秒6とハイペースに。差し・追い込みタイプに有利の展開となりました。

 

 

【レース分析】 ダノンスコーピオン(単勝4番人気)はスカッと見せるほど馬体の張りが良く、脚取りもスムーズ。前走以上のデキに映りました。スタートが速く、速めの流れに合わせて自然と中団に収まり、外をスムーズに立ち回れました。これは勝因のひとつとして挙げられるでしょう。ラスト1ハロンあたりで先頭に躍り出ると、最後は外を通って伸びたマテンロウオリオンの追い上げを振り切って快勝。焦らず、残り2ハロン地点まで追い出しを我慢させた分、接戦をモノにすることができました。このあたりは川田騎手の手腕ですね。

 

 

「レースではいいリズムでしたし、バランス良く走ってくれました。最後は外から伸びてくる馬がいて差が僅かでしたし、何とか凌いでほしいと思っていました。2走前の共同通信杯は苦しい状態での出走でしたが、そこから立て直して、今日の返し馬の感触は一番良かったので自信を持ってレースができました。もともとポテンシャルの高い馬でこのNHKマイルカップを目標にしていました。素晴らしい馬をGⅠ馬にさせてあげることができて良かったですとレース後に川田騎手はコメント。2連勝で3歳マイル王の座に輝いたダノンスコーピオン。早めに抜け出して後続を封じた走りは立派の一語。マイル戦では底らしい底を見せておらず、夏場を休養に充てて更に成長も見込めるはず。秋は年長馬を撃破し、マイル界の頂点に立っても驚けません。

 

ダノンスコーピオンの4代血統表

 

 マテンロウオリオン(3番人気)はテンションは高めでしたが、この程度なら許容範囲内。身のこなしは滑らかでした。出遅れましたが、この馬の気質、展開を考えますとスタートはこのくらいの方がむしろ良かった印象。直線はまとめて交わすような勢いでしたが、勝ち馬の渋太さに屈して惜敗の②着。それでも、舞台を選ばず、確実に脚を使って追い上げてきますね。カワキタレブリー(18番人気)はカリカリとうるさく、馬体も減って、パドックはあまり良く見せませんでした。スタートで出遅れましたが、後方で脚をためて展開が嵌まりましたね。厳しい流れでしたから、これまで培った経験(キャリア8戦)が生きたようにも感じました。

 

 

 本命に推したインダストリア(2番人気)は体が引き締まり、手先の運びは素軽く、バネを感じさせた。デキは文句なし。スタートはまずまずで、展開を踏まえればダノンスコーピオンの直後と絶好のポジションでした。直線の追い比べで勝ち馬の方が手応えが良く、今日は力負けでしたが、この経験を糧にできれば、更なる飛躍が期待できそうです。1番人気に支持されたセリフォスは二人引きでもテンションが上がらず、胸前からトモにかけて厚みがあり、心身ともに成長。好位で上手なレースができましたが、速い流れを追いかけた分だけ直線はじわじわとしか脚を使えませんでした。結果的に休み明けの影響もあったかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止