7月9日(日曜)に福島競馬場で行われた第59回GⅢ七夕賞(芝2000m・3歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)は単勝2番人気に支持されたセイウンハーデスが優勝した。管理する栗東・橋口慎介調教師、騎乗した幸英明騎手ともに七夕賞は初勝利。セイウンハーデスは北海道浦河町鮫川啓一さんの生産馬。馬主は西山茂行さん。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ショウナンマグマが控える戦法を選択。またフェーングロッテンの行き脚がつかなかったことで、バトルボーンが押し出されるようにハナを切りました。前半1000m通過は60秒7とスローペース。レースの中盤以降も、後続勢に目立った動きはなく、先行勢に有利な展開となりました。
【レース分析】 セイウンハーデス(2番人気)はパドックでブリンカーを着けていませんでした(レースでは装着)が、落ち着いて周回。動きもハツラツとして絶好のデキに映りました。スタート直後、内の出方を窺いながら3番手を確保。馬場の内側が荒れてきた中、馬場の中ほどをスムーズに運ぶことができましたし、道中は折り合いもピタリ。直線に向くと力強く抜け出してきました。接戦となった②着争いを尻目に11/4馬身抜け出しましたから完勝と言える内容でした。
「外枠でしたが、2~3番手くらいがいいな、と思っていたのでちょうどいい位置取りで運べました。終始、手応えが良かったですし、直線に入る時もいい感じでした。気を抜くところがあった馬ですが、それでもブリンカー着用後は真面目に走るようになっていますし、今日もしっかりと走ってくれました。近々重賞を勝てると思っていましたが、実際に勝ってくれて良かったです」とレース後に幸英明騎手はコメント。ブリンカー着用が契機となって覚醒。今年に入ってからの充実ぶりは目覚ましく、このあとは重賞タイトルの上積みを期待していいでしょう。
▲セイウンハーデスの4代血統表
ククナ(9番人気)は馬体をスカッと見せて休養の効果で動きに硬さも感じられませんでした。活気溢れる周回で、仕上がりは良かったですね。ポンと好スタートを決めると好位のインをキープ。確かに馬場の内側が傷んできていますが、スローペースでしたからロスを抑えて運んだことも吉と出ました。しっかりと脚が溜まっており、渋太く伸びて②着争いを制しました。ホウオウエミーズ(13番人気)は阪神遠征後で中2週でしたが、馬体減りがなく、キビキビと活気十分。好調をキープ。スタートを決め、内枠を生かして中団のインを追走。4コーナーでスムーズに外へ出すとジワジワ脚を伸ばしてククナとクビ差の③着。鞍上の好騎乗が光りました。
バトルボーン(3番人気)は体の緩さがなくなってきており踏み込みが深く、迫力満点の周回。他馬が積極的に運ばなかった分、ハナを切りましたが、結果的に後続の目標になってしまった印象。スローペースよりも持久力勝負に持ち込んだ方が良かったかもしれません。レッドランメルト(12番人気)は体が絞れ、素軽さアップ。状態面は前回以上でした。内を回った組が②~④着でしたから、コースロスを踏まえれば中身の濃い⑤着。ここ2戦は道悪に泣きましたが、重賞で通用する能力があることを示しましたね。
text by 京増 真臣
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