佐賀記念当日は、立て続けにやってくる寒波の影響を受けて雪に見舞われ、前日から飛行機は飛ぶのか、競馬は開催できるのかとやきもきすることとなりました。結果としてレース前はかなりの雪でしたが、その後は天候が回復し、無事に競馬は開催されることとなります。しかし、私は競馬場に到着するまでが大変でした。

 まず飛行機の延着、そして高速道路が通行止めのため空港から久留米へ向かうバスが運休となり、在来線へと変更したのですが、そちらも雪の影響で遅れが発生している状況でした。何とか鳥栖駅へ辿り着き、雪のなか路線バスを待っていたのですが、1時間以上待ってもバスが来る気配がありません。その後バス会社の方と思われる方がやってきて、「向かったバスが渋滞で1本も帰ってこられないので運行を見合わせます」との話。お金のない私はその時点で交通手段を失いました。もう自分の足で歩くしかありません。一番近いと思われる隣の肥前旭駅まで向かい、そこから約1時間徒歩で競馬場へと向かいました。まさしくトホホな状況です。

在来線の車窓から

 

 やっとの思いで辿り着いたのは予定より2時間ほど遅れた午後2時頃。疲労困憊で馬券検討する元気もなく、とりあえず場内を探索してみると、スタンド1階が耐震補強工事のため閉鎖されていました。1階は2月15日までの予定で16日からは開放されるようで、16日からは2階が7月まで閉鎖となるそうです。この工事に伴い、3階の一般有料指定席(通常500円)が工事期間中限定で無料で開放されています。寒い今の時季にはありがたいですね。

3階一般有料席開放

 

 場内を歩いていると「充電用」と表示されたコンセントがチラホラと。もし充電が乏しくなっても安心です。ただ、1人で来ているとここから離れられませんし、そもそもコンセントに接続できる充電器を持ってきているかどうかも問題なのですが……。競馬場内にはWi-Fiが完備されています。

 

 3階へと上がると津田麻莉奈さんと安藤勝己元ジョッキーの予想トークショーが行われていました。当初は外の予定だったのですが、冷え込んでいたからでしょうか、スタンド内へと変更されていました。

 

 徒歩と場内探索でそろそろお腹もすいてきたので、腹ごしらえです。メディアなどでも結構紹介されているのが「龍ラーメン」です。豚骨100%の本格スープだそうで、客引きの看板おば…看板娘のお姉さんが結構グイグイ来ます。言われるがまま着席。メニューは当然ラーメン中心ですが、その他にもいろいろあります。私は野菜ラーメンをチョイス。小さな厨房で髪が紫色のおば…お姉さんと、ひょろっとしたおば…お姉さんが一生懸命作ってくれます。出てきたのは野菜(炒め)がタップリ乗ったラーメンです。麺は細麺で硬さも選べます。そして、当日は寒かったからか分かりませんが、おでんが2品サービスで出てきました。恐らく出てくる2個はランダムっぽいのですが、私は厚揚げとさつま揚げでした(さつま揚げは先に食べてしまいました)。これで500円というのは競馬場のグルメということを考えればかなり良心的な価格設定ではないかと思います。お姉さんの「500万円でございます」というお決まりのジョークを右から左へ軽く受け流し(古い)、お金を払って店を後にしました。とにかく元気一杯の店です。隣の「のだ屋」との客引き合戦?が結構熱いです。

「食事処のだ屋」と「龍ラーメン」

野菜ラーメン&おでん

 

 続いて訪れたのは、こちらも有名店。地方競馬にちょっと詳しい方ならよくご存知かもしれない「何でも焼いてくれる店」です。入場門を入ってまっすぐスタンドに向かうと両サイドにある「赤浦」と「丸善」。どちらもほぼ同じ店でライバル関係?のようです。練り物からモチからウインナーや焼き鳥、イカ焼きなど、何でも焼いてくれます。厳密には「温め直す」ということなんでしょうけど。私は赤浦で焼き鳥とウインナーとイカ焼きをオーダー。お兄さんが焼いてくれました。

焼く店「赤浦」

焼く店「丸善」

 

 そろそろ一杯やりたくなるところですが、ここで広大な駐車場の弊害?が出てきます。佐賀競馬は車で来場するファンが多く、車で来るということを想定しているため、アルコール類を扱っていないのです。何ということでしょう。他の店もサラッと見てみましたが、「ビール」などのメニュー表示は見当たらず、赤浦のお兄さんに「佐賀ってアルコールないんですよね?」と聞いてみても「そうですねえ」という返事が。置いてあるのは「ノンアルコールビール」のみです。仕方なくノンアルコールで気分だけ味わった私でした。もうどうしても呑みたいという方は持ち込みましょう。当然ですが、運転する方は呑んではいけませんよ。

 

 そうこうしているうちに佐賀記念が行われ、幸騎手英明騎手が騎乗するルールソヴァールが人気に応えて、重賞初制覇を飾りました。幸騎手は「(向正面で)もういけるんじゃないかと思いました。馬がどんどん良くなっているので、これから上でも頑張れると思います」と話していました。遅咲きの全兄サウンドトゥルーに続いて弟も6歳を迎えた今年、大舞台で活躍していく存在となれるか注目です。

 

 というわけで佐賀編をご覧いただきまして、ありがとうございました。今では九州唯一の地方競馬場となった佐賀競馬場、ぜひ一度お越し下さい。ただ、冬場に行ってみようという方がおられましたら、くれぐれも天候にはご注意下さいね。

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競馬ブック M.M

競馬があるところにはどこへでも足を運び、JRA、地方競馬場を踏破、一昨年には香港にも遠征。JRAは勿論だが、地方競馬が大好物。ただ、馬券はド下手という致命的弱点を持つ。どうしても競馬に関わる仕事がしたいと一念発起して競馬ブックに転職。業務で校正など、日々「日本語」と格闘中のオールドルーキー。