2018年4月8日(日) 2回阪神6日11R 第78代桜花賞馬に輝いたのは、2番人気のアーモンドアイでした。管理する国枝栄調教師は、2010年アパパネに続いて桜花賞2勝目。勝ち時計の1分33秒1は、そのアパパネがマークした1分33秒3を上回る桜花賞レコードでした。また、C.ルメール騎手は、2016年メジャーエンブレム、2017年ソウルスターリングと1番人気で桜花賞に挑戦して連敗中でしたが、見事に雪辱を果たしました。それではレースラップへ。
1:33.1(12.3 – 10.7 – 11.5 – 12.1 – 12.1 – 11.5 – 11.3 – 11.6)
前半34.5 46.6─後半46.5 34.4の平均ペース。前半だけなら、あるいは後半だけなら今年よりも速い年はありましたが、中盤が少し緩んだ以外は速いペースで、先行した馬には厳しい展開。ラップが落ち着いたコーナーで追い上げることができた差し・追込馬が台頭する結果となりました。
アーモンドアイは休み明けでしたが、好仕上がり。スタートがひと息で後方からのレースになっても、慌てることなくジックリと運んで直線に向いた時には後方2番手。大外から追い出されると、一気に弾けて突き抜けました。上がり33秒2はレース最速。2番目に速いトーセンブレスが34秒2ですから、まさに次元の違う脚。ルメール騎手の「1600mだけが心配だった。スタート後のスピードの乗りがひと息で、一番後ろからになったけど、あまりライバルは意識せず、前にいる馬だけを見てジックリ運んだ」という談話からは、距離が延びるオークスでも期待を持てるといったところでしょうか。正直、シンザン記念のレベルはメンバー的に疑っていたのですが、やはり牡馬相手に重賞を勝つ馬は能力が高いですね。父はロードカナロア。昨年の新種牡馬チャンピオン。母フサイチパンドラは2006年のオークス2着、エリザベス女王杯1着。曾祖母セックスアピールは不出走ですが、トライマイベスト、エルグランセニョール、曾孫にドームドライヴァーなど送り出した名繁殖。ロードカナロアは母系の良さを引き出す印象があります。
最近5年の桜花賞で4角4番手以内の馬は2頭しか馬券に絡んでいません。勝ち馬の決め手に屈したとはいえ、3番手で運んだラッキーライラックも非常に強い競馬でした。パドックの雰囲気も良かったです。最内枠を引いた時点で石橋 脩騎手がどう立ち回るのか注目していましたが、スタートを綺麗に決めましたし、うまく好位で捌いて直線もギリギリまで追い出しを我慢していました。G1で単勝1倍台でもあり、あれ以上後ろに下げる選択肢はなかったかと。実際に2着に来たわけですし、今回は相手が悪かったです。
リリーノーブルは中団の外めで折り合いをつけて、前にいたラッキーライラックに0秒1差まで詰め寄りました。こちらもパドックでは気配の良さが目を引きましたし、展開的にも悪くなかっただけに力は出し切ったと思います。やはり、上位2頭は強かったですね。4着~9着まではタイム差なしの1分33秒8でした。その中では、後方で脚をタメていたディープインパクト産駒のトーセンブレス、マウレアが4、5着。トーセンブレスが馬券に絡んだレースは2つあるのですが、共に後半4ハロンより前半4ハロンの方が1秒5以上遅いレースでした。マウレアに関しても、馬券圏外になったクイーンCと桜花賞が前半から速かったレース。現状では、ユッタリした流れからの決め手勝負がベターかもしれません。あと、マウレアは栗東滞在でプラス体重、気配も悪くなかったのですが、臨戦過程は決して楽ではありませんでした。阪神ジュベナイルF3着→クイーンC圏外→前哨戦2着は、昨年優勝のレーヌミノルと同じ。ただ、レーヌミノルは既に賞金を獲得していて、意図的だったのに対して、マウレアはチューリップ賞でかなり仕上げてきましたし、一戦多く使っていたのは確かでしょう。逆にそう考えると頑張っているといえるのですが……。穴人気をしていたフィニフティはマイナス6kg。素質は高いと思いますが、一線級のメンバーに入るとまだ非力な印象を受けました。
text by 小林
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