2回新潟4日目11Rに行われた第10回GⅢレパードステークスは単勝5番人気に支持されたグリムが逃げ切って優勝。今回初コンビを組んだ鞍上の内田博幸騎手、管理する野中賢二調教師ともレパードSは初制覇。グリムは北海道・新ひだか町の服部牧場の生産馬で、馬主は㈱カナヤマホールディングス。

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】

 グリムは沈み込むようなスタートで、少しヒヤッとしたが、すぐに二の脚が付いて他馬の出方を窺いながらハナへ。前半1000m通過が61秒9。レースが創設された09年以降、良馬場で施行されたケースでは最も通過タイムが遅く、平均ペース。スタートから4ハロン目に13.0に落としており、息を入れて運ぶことができた。

 

 

【レース分析】

 パドックに出てきたグリムは前をキビキビ歩くアドマイヤビクターからかなり距離を置いて周回。落ち着き過ぎていて判断に迷ったが、結果から考えれば、状態は悪くなかったということだろう

二の脚が速く、ハナを奪うとマイペースで運べた。その分、直線に向いてヒラボクラターシュに並ばれても、差し返すだけの脚が残っていた。内田博幸騎手の積極的な騎乗も勝因のひとつだろう。ここ3戦は、ずっと本紙予想で本命にしてきただけにキッチリ結果を出してくれてホッとしている。

内田博幸のコメント 「逃げにはこだわっていませんでしたが、前走は囲まれて出てこられない感じがありましたし、スピードがあるので、わざわざ番手につけることもないと思い、ハナに行く形に。ペースが遅くなってくれたことで、いい形でレースができました。直線で後続が来た時に、もう一段階ギアが入ってくれました。並んでから渋太く伸びてくれる点が持ち味ですね。1800mをこなしてくれましたし、少しずつ幅が広がっていくと思います。楽しみな一頭です」

 

グリムの4代血統表

 

 ヒラボクラターシュは前走の濃尾特別が前崩れの展開ながら粘って④着。その点を評価はしていたが、キンシャサノキセキ産駒である点からマイルくらいがベストなのかと。グリムを本命にしていただけに相手に拾えなかったのは痛恨。レースは大外枠で外を回るコースロスがありながらもクビ差の惜敗。しかも、③着は3馬身離しているのだから強い②着。

 ビッグスモーキーは3番手を進んで、直線でも渋太く踏ん張っていたし、悪くないレース内容。ただ、先行タイプに有利な展開が味方したのは事実。重賞を勝てるかどうかは今後の成長にかかってくる。

 1、2番人気に推されたグレートタイムドンフォルティスの実績馬2頭は⑥、④着。どちらもパドックの気配は良く映った。ただ、ジャパンダートダービーを戦ってから中2週での遠征。酷暑の影響も多分にあったのでは。今回の結果に関しては大目にみたい。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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