2回新潟10日目11R第38回GⅢ新潟2歳Sは単勝1番人気に支持されたケイデンスコールが馬場の外目から差し切って優勝。安田隆行調教師は2009年のシンメイフジ以来となる新潟2歳S2勝目。ケイデンスコールは自身が管理したロードカナロア産駒でもあり、喜びひとしおだったはず。石橋脩騎手はこれが新潟2歳S初勝利。ケイデンスコール北海道・安平町のノーザンファームの生産馬で、馬主は㈲サンデーレーシング。

それではレースを振り返りましょう。

 

 

 

【展開・ペース】

 好スタートを決めたエルモンストロがハナを奪い、段々とリードを広げながら3角へ。しかし、前半3ハロン通過は36秒3。過去10年で最も遅かった昨年より0秒3速かったものの、超のつくスローペース。直線に向いてからは瞬発力比べとなった。

 

【レース分析】

 ケイデンスコールは序盤、折り合いを重視して中団の後ろを追走。他の馬が引っ掛かったりする中、リズム良く運べていた。全体のペースが上がる前の残り4ハロン地点で鞍上が促すと瞬時に反応。前との差をサッと詰めたあたり、本当にレースセンスがいい。直線に向くと石橋脩騎手は迷わずに外へエスコート。長い直線でどの馬よりも馬場のいい部分を通れたことも勝因のひとつ。折り合って走れた分、脚は十二分に溜まっており、鋭く伸びて接戦をモノにした。テン乗りながら石橋脩騎手の乗り方も完璧だった。特殊な流れ、馬場だったからレースレベルの高低は判断しづらいが、ケイデンスコールは操縦しやすく、素晴らしい瞬発力も備えており、今後も大崩れはないのではないか。

石橋脩騎手のコメント 「雨の影響で外が伸びる馬場になり始めていたので、慌てずに乗っていました。外に出せるところにもいましたからね。切れるのも分かっていましたし、しっかりギアチェンジをしてくれました。まだ体に緩さがある中であれだけの脚を使えるのですから能力があります。厩舎サイドの方で競馬を教え込んでいてくれましたし、いい時に乗せてもらいました」

 

ケイデンスコール4代血統表

 

 アンブロークンはスタート後、前に馬を置けたものの、行きたがって鞍上が抑えるのに苦労。それでも、直線に向くと馬場の真ん中から外目へ寄せながらグイグイと伸びてクビ差②着。敗れはしたが、ポテンシャルの高さは示した。粗削りでも、まだまだ良くなる素材。

 スティルネスは初めてのマイル、遅いペースでも、鞍上と喧嘩することなく運べていた。小柄な牝馬だけに稍重発表の馬場がどうかと思われたが、しっかり脚を使って時計差なしの③着。兄ロードクエストは3年前の新潟2歳S覇者。瞬発力比べも向くようだ。

 ジョディーは6月2日の新馬戦以来の出走で馬体重は16キロ増。太くは見えず、これは成長分。ただ、2週続けてビシッと追い切られ、輸送もあった影響か少しテンションが高かった。レースでは外枠だったが、流れに乗って追走。直線半ばからは前3頭を避けて内へ進路を取ったものの最後まで脚を使って④着。決して内容は悪くなく、控える競馬に慣れてくれば前進が見込める。

 紙面の個人予想で本命を打ったエイシンゾーンは⑤着。スタートが良く、流れが予想以上に落ち着いたこともあって積極的に前へ。内をロスなく運んで、直線に向いてジワジワ外へ持ち出し、一旦は首位争いに加わったが、更に馬場のいい外を通った上位陣の決め手に屈した。デビュー戦で見せた瞬発力、終いの伸びが印象深く、ジックリ構える戦法なら大きく変わりそう。個人的に次走以降も狙ってみたい。

text by 藤原

 

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