第54回 新潟記念回顧

 

　2回新潟12日目11Ｒ第54回ＧⅢ新潟記念は単勝1番人気に支持されたブラストワンピースが直線で大外から豪快に差し切って優勝。3歳馬による新潟記念優勝は1983年のアップセッター以来、35年ぶり。管理する大竹正博調教師、騎乗した池添謙一騎手ともに新潟記念は初勝利。ブラストワンピースは北海道・安平町のノーザンファームの生産馬で、馬主は㈲シルクレーシング。

それでは京増ＴＭにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

 

【展開・ペース】

　マイネルミラノが先手を奪って前半1000ｍ通過は59秒2。2014～17年までの4回よりは遅かったものの、道中は11秒台のラップが続く、緩みのない流れ。地力勝負となり、4コーナーを11～13番手で通過した3頭が追い込んで①〜③着。前に行った組にとっては厳しい展開だった。

 

 

【レース分析】

　ブラストワンピースは日本ダービー出走時からマイナス2キロの馬体重。パドックに登場した姿を見ると、もうひと絞りできる造り。目標である菊花賞を見据えての仕上げではあったが、日本ダービーの時と比較して体のラインが締まって見えた。

レースはスタートで若干遅れたが、池添騎手は慌てずに最初の1ハロンを過ぎたあたりで馬場の外目へと誘導。道中は前に馬を置いて折り合いに専念。直線に向くと、楽な手応えのまま外を通って前へ接近し、仕掛けると豪快に抜け出して完勝。菊花賞が一段と楽しみになる内容だった。ただ、個人的には古馬の一線級が顔を揃える天皇賞（秋）からジャパンＣというローテーションでその走りを見てみたい、そんな気にさせられた圧巻のパフォーマンスだった。

池添謙一騎手のコメント　「外差しの利く馬場でしたし、内枠だったのでそのあたりを考えて乗りました。久々の影響か道中はフワフワしていましたが、直線に向いての手応えは十分。ゆっくり追い出しましたが、最後まで余裕のある走り。ノーステッキでいい内容でしたね。落ち着きが出てきたのが一番で体もひと夏を越して成長。このあとは菊花賞なので無事にいってほしいです」

 

 

　②着メートルダールは馬体重が休み明けで20キロ増。いくらか体は立派に映ったが、結果を見る限りでは、テンションを上げないように馬なり中心で調整したのがいい方に出た印象。確かに先行馬が苦しくなる展開に乗じた面はあったが、勝ち馬をマークしながら、しっかり脚を使えていた。今日に関しては勝ったブラストワンピースを褒めるべきではないか。

　③着のショウナンバッハも、展開が味方したクチだが、直線に向いてからは馬群の間を上手に捌いて脚を伸ばした。7歳馬らしく、これまで培った豊富な経験も生かせたように映った。2番人気に支持されたグリュイエールは道中で折り合いを欠いてしまった分、直線で伸びあぐねてしまったか。3番人気セダブリランテスは正攻法のレース運び。直線で一瞬、伸びかけたが、鋭い脚が続かず。中山金杯以来と休み明けが響いたか。

 

text by 京増真臣／構成・藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。