2018年 12月1日(土) 5回阪神1日

 今年で69回目を迎えたチャレンジカップ。昭和40年代にはダービー馬タニノハローモアや後に天皇賞(秋)や有馬記念を勝つタニノチカラが勝利。50年代は有馬記念を勝つヒカリデュールが中央移籍緒戦で勝利し、短距離王ニホンピロウイナーは60キロを背負って実績のない2000mで勝つなど、超一流馬が名を連ねているレース。平成に入ってもマーベラスサンデー、タップダンスシチー、スズカマンボがこのレースをステップにGIを勝っています。

 今年はダービー馬レイデオロの全弟レイエンダがセントライト記念で②着と初黒星を喫して以来の実戦。2.1倍で1番人気。ここまで3連勝中のエアウィンザーが2.7倍と肉薄。天皇賞(秋)が無念の除外となったダンビュライトが6.3倍。4番人気のマウントゴールドで14.6倍と3強ムード。

 レースは予想通りマルターズアポジーが逃げてサイモンラムセスが5馬身ほど離れた2番手。ほぼ等間隔で3番手がマウントゴールド。直後にエアウィンザーとマイネルフロストが並ぶ。レイエンダ、ダンビュライトは中位よりも後ろ。1000mの通過が59秒7。2歳戦でレコードが出るような馬場にしては速くない。3番手のマウントゴールド以降は完全にスローペース。ほぼ、隊列が変わらないまま直線へ。4角で早々に仕掛けられたエアウィンザーが一気に先行馬を掴まえると、あとは突き放す一方。最後は3馬身差をつけての圧勝。②着は粘り込んだマウントゴールド。③着は中位の内から外に出して伸びたステイフーリッシュ。ハナ差④着がダンビュライト。更にクビ差でマイネルフロストが続いた。レイエンダは伸びを欠いて⑥着でした。

 勝ちタイムが1000万特別よりコンマ4秒しか速くないことからもわかるように、ペースが遅かったので4角で前か内にいないと厳しい展開。出負け気味で折り合いに専念したダンビュライトやロードヴァンドールと接触してダッシュがつかず、4角では外を通ったレイエンダには厳しい展開。ただ、直線で進路を探しながらでも③着馬に迫ったダンビュライトに対して、レイエンダは反応が鈍くて最後も伸びてくる気配がありませんでした。現状では血統面からくる過剰人気という気がします。来年に期待しましょう。

 勝ったエアウィンザーは先行有利を見越していたようなM・デムーロ騎手の積極的な騎乗が光りました。その鞍上は「どんどん強くなっている。以前よりも今日はスタートを出てくれたし、思い通りの位置で競馬ができた。いい手応え、いい反応だったね。これからの成長にも期待したい」と満足な様子。昨年9月の500万勝ちから数えて8戦6勝、②着2回。その②着はともに重賞2勝馬トリオンフが相手だったので、取りこぼしはないと言っていいでしょう。母が秋華賞馬エアメサイア。サンデーの肌にキングカメハメハという配合はいかにも2000m前後で強そうな印象。順調に成長すれば来春の大阪杯が大目標となるのでしょうか。

text by 石井大

 

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