5回中山1日目11Rに行われた第52回GⅡステイヤーズSは同一重賞4連覇の偉業に挑むはずだったアルバートが右前肢跛行で出走取消に。代わって1番人気に支持されたリッジマンが重責を果たす形で重賞初制覇を達成。鞍上の蛯名正義騎手は春のGⅡ青葉賞に続いて今年のJRA重賞2勝目。管理するのは庄野靖志調教師。リッジマンは北海道浦河・辻牧場の生産馬で馬主も(有)辻牧場。ホッカイドウ競馬からの転入馬でデビュー戦はダート1000mのフレッシュチャレンジを勝っており、異色のオールラウンダーということでも注目を集める勝利となりました。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

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【展開・ペース】

 今回もマイネルミラノが待機策を選択したので、カレンラストショーが難なく主導権を握り、ヴォージュが2番手で続いて、序盤からマラソンレースらしいユッタリとした流れ。11秒台のラップが出現したのは残り1000mの地点からで、ここでのペースアップに対応できなかった馬は、首位争いに絡むことができませんでした。

【レース分析】

 勝ったリッジマンは道中、少し前から間隔を開けて、5番手追走と絶好のポジションをキープ。勝負どころでの手応えも他馬とは違う印象で、ベテランジョッキーの巧みなペース判断にも導かれて、危なげなく抜け出す完勝劇。後続につけた2馬身半差は決定的で、今回のメンバーでは距離適性も一枚上といった印象が残りました。

「500万で初めて乗った時と比べて、馬が凄く良くなっていました。落ち着きも出てきましたし、スタッフの頑張りが実を結んだ結果だと思います。スタートは良かったですが、ハナに行くタイプではありませんし、他に行く馬がいれば、それについていければ、と思っていました。重賞で斤量も背負っていましたから、油断はできませんでしたが、最後までよく頑張ってくれました」とレース後の蛯名正義騎手。個性派として、今後も長距離路線での活躍が期待されます。

リッジマンの4代血統表

  ②着アドマイヤエイカン(2番人気)は勝ち馬より前の位置取りで、勝負どころでの手応えは決して良くありませんでしたが、ゴール前で渋太く脚を伸ばして連対を確保。2600mを超える距離が初めてだったことを思えば上々の内容。少し上がりの速い競馬になって経験の差が出た感じもありましたが、2~3歳春に重賞で好走していた素質馬が軌道に乗ってきたことも確かでしょう。

 モンドインテロ(4番人気)も②着馬と同様、前目の位置で流れに乗って、力を出し切った印象。ひと頃と比べて切れる脚を使えなくなっているようですが、渋太さを生かせる長距離なら、まだまだ侮れない存在であることが確認できました。

 意外だったの3番人気ヴォージュの負け方で、道中の手応えの割には粘りが案外。急坂のある中山コースの3600mは長かったのでしょうか。本質的な距離適性などに関しては、次走以降を見てから判断したいと思います。

重賞タイトルを獲得し、表情も誇らしげに映ったリッジマン(撮影:yu~kun)

 

text by 五十嵐

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