父が涙した府中で輝く

 

 2018年2月11日(日)1回東京5日目11R第52回共同通信杯(GⅢ)は単勝6番人気に支持されたオウケンムーン(父オウケンブルースリ×母ムーンフェイズ)が優勝。オウケンブルースリ産駒はJRA重賞初制覇。菊花賞馬オウケンブルースリはジャングルポケットの仔ですが、09年ジャパンカップでのハナ差②着など意外にも東京コースでは未勝利。父にとって鬼門の府中で息子が堂々と勝利を飾りました。管理するのは国枝栄調教師。北村宏司騎手は昨年、ルージュバックで制したオールカマー以来となる重賞勝利となりました。

 

~来年使えるデータ~

 ディープインパクト産駒は共同通信杯に25頭出走して[2・3・6・14]。今年は2頭の出走だったが、サトノソルタスが②着に好走。同産駒は11年以降、8年続けて馬券に絡んでおり、来年以降も目が離せない!

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

勝ち時計 1分47秒4(晴れ・良)

前半4F → 後半4F 48秒0 → 47秒2

12.9 – 11.1 – 11.7 – 12.3 – 12.2 – 12.4 – 11.7 – 11.5 – 11.6

 

【展開・ペース】

 好スタートを決めたコスモイグナーツが、スンナリとハナを切っていれば単調なレースになったかも知れませんが、ミナリク騎手が騎乗したエイムアンドエンドが並びかけたことで序盤のペースが上がり、馬群は縦長に。ただ、その後は流れが緩んで前半1000m通過は60秒2。速い流れではなく、結果的に位置取りが各馬の明暗を分けました。

【レース分析】

 勝ったオウケンムーンは5番手を追走。ゆったりとしたペースを考慮すると、このポジショニングは大正解。道中は内をピッタリとロスなく回り、直線に入るとスムーズに進路を確保。あとは手応え通りに脚を伸ばしてアッサリと抜け出しました。北村宏司騎手の好騎乗が光りましたね。それにマイナス10キロと馬体が絞れていたこと、状態面が良くなっていたことも勝因でしょう。

「中山よりも東京の方が合うと思っていましたが、その通りでした。直線では坂下での反応が良かったのでいけると思いました。まだ伸びしろがありそう。今後も順調にいってほしいですね」とは北村宏司騎手のコメント。デビューからずっとコンビを組んでいることもあり、“東京なら”と自信を持って騎乗していたことが分かりますね。

 

オウケンムーンの4代血統表

 

 本命に推したサトノソルタスはパドック、返し馬で素質馬らしいオーラが感じられました。オウケンムーンより後ろで運び、反応も少し鈍かった分、肉薄するまでには至りませんでしたが、直線はしっかりと伸びてきました。キャリア1戦でこのパフォーマンス。能力の片鱗は示しました。個人的には単勝と3連単の①着固定で馬券を買っていたので一銭にもならなかったのは悔しいところ。堀宣行厩舎の共同通信杯②着といえば、まずはドゥラメンテを連想しますよね。偉大な先輩に近付けるのか今後の成長に期待したいところです。

 ③着エイムアンドエンドはミナリク騎手の積極的なリードが好結果に結びつきましたね。離れた2番手という位置取りはレースの流れを考えれば理想的でした。③着を争って僅差敗れたゴーフォザサミットは、やはりスタートで後手を踏んだことが悔やまれますね。

 1番人気グレイルは⑦着。そして2番人気ステイフーリッシュは⑩着とともに完敗。勝ち馬に好位から33秒台の上がり3ハロンをマークされては中団、後方から外を回って差し切るのは困難。不向きな展開に泣きました。それから最近、よく感じることですが、以前より2歳重賞が増えたことで、路線が多様化し、ひとつひとつの成績の評価が難しくなってきたようにも思います。

text by 京増真臣/構成 藤原

 

  

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

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