4月4日、中山競馬場で行われた第52回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ)はクルーガー(単勝4番人気)が力強い脚取りで抜け出して優勝。2016年4月のGⅡマイラーズC以来、約4年ぶりとなる重賞制覇を成し遂げた。騎乗した石橋脩騎手は2012年のガルボ以来、当レースは2勝目。管理するのは栗東・高野友和調教師クルーガーは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 最内枠からスタートを決めたナインテイルズがハナを主張する。2番手にストーミーシーが続く。すぐに隊列が決まり、ペースが落ち着くかと思われたが、速いラップが刻まれて前半800m通過は45秒4とハイペースに。

 

【レース分析】 ペースが速く、馬群が縦長になったことにより道中で前を見ながら運んだクルーガーボンセルヴィーソのあたりが絶好のポジションに。クルーガーは高齢馬だが、休養期間が長かったこともあり、まだまだ馬は若々しく、パドックでは好気配。内目をソツなく立ち回って、直線で抜け出す脚が速かったし、完勝だった。

 

 

「内枠だったのでスタートをしっかり出していこうと思っていました。向正面でペースが速いと感じたので、無理にはついていきませんでした。内々をロスなく回ってこられましたし、前の人気馬を見ながら勝負どころでも慌てないで乗りました。直線で進路を確保してからの伸びは素晴らしかったですね。返し馬で初めて乗りましたが、背中の感じが凄くいい馬です」石橋脩騎手はパートナーの走りを絶賛。クルーガー自身もこれで中山コースでは③①①着。約4年ぶりに重賞タイトルを獲得し、勢いに乗ってGⅠ戦線へと突き進む。

 

クルーガーの4代血統表

 

 本命に推したストーミーシーは前走の東風Sと同じ2番ゲート。その前走と同様に内枠からポジションを取りに動いて2番手を追走。ただし、今回は結果的に展開が厳しかった。4コーナーで先頭に立ち、残り1ハロン過ぎまで踏ん張ったが、さすがに残り100m地点で力尽きた。

 ボンセルヴィーソは控える競馬で結果を出せたことは収穫。ただ、今回に関しては展開がうまく噛み合い、また54キロのハンデもあったから、継続して重賞で勝ち負けできるかはまだ半信半疑な面も残る。レイエンダは道中は①、②着馬よりも1列後ろのポジション。位置取りの差が出たか。それでも、揉まれ弱さのある馬が、馬群の中から伸びた点に進境が窺えた。敗れはしたが、これは次につながりそうな内容だった。

 

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・①着クルーガー③着レイエンダは前走でGⅢ東京新聞杯に出走し、勝ち馬から0秒2差、0秒5差。重賞組に関しては前走着順より、前走の着差を重視する作戦が有効だ。ただし、②着ボンセルヴィーソは前走がOP特別の東風Sで⑫着から一変。2015年以降、前走2桁着順から連対したのはボンセルヴィーソを含めて2頭。2頭の馬番は3、5番と中山マイルでは有利な内枠に入っていた。来年以降はどのクラスでも前走着順を問わず、馬番5番より内に入った馬は押さえておきたい。

〇馬齢・・・今年は8歳→6歳→5歳で決着。7歳以上の馬が馬券に絡んだのは2012年以来のこと。近年、高齢馬は不振の傾向が続いていたが・・・。馬齢での取捨選択は控えた方が良さそうだ。

 


 
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