競馬 研究ニュース

第24回 アンタレスS 回顧

 

2019年4月14日(日) 2回阪神8日

 

 2012年より施行時期が1週早まり、それまでの京都から阪神開催に替わりました。今年の1番人気は前走G1で②着に好走したウェスタールンド。過去4年続けて馬券に絡んでいる名古屋大賞典を制したグリムが2番人気。それぞれ3.4倍、3.6倍と2頭で人気を分け合う格好。3番人気は一昨年のこのレースで②着に入ったロンドンタウンで6.4倍でした。

 

 前後半の内訳は47秒3─12秒7─50秒8。1000m通過60秒0は、不良馬場だった昨年の60秒2よりも速く、ハイペース。レースは外からドライヴナイトがハナ争いを制し、テーオーエナジーが内枠を生かして2番手。出ムチを入れてオルナが3番手。4番手の内にコパノチャーリー、外がリーゼントロック。ここまでの5頭は序盤に脚を使ったためか掲示板外へ。その後ろにグリム、アナザートゥルースがいて、結果的にこの位置がウイニングポジションでした。

 途中からドライヴナイトは大逃げの形となり、その後バテて13秒2と時計がかかったところで馬群が凝縮。残り600m過ぎにはドライヴナイトに代わって、テーオーエナジー、グリム、リーゼントロックが併走する形で先頭に躍り出ます。その後ろにロンドンタウン、アナザートゥルースの2頭。序盤に脚を使って前へ行った組には厳しくなりましたが、勝負どころのペースが遅かったので、追い上げに無理をするところがありませんでした。その為、直線に向いた時に、ある程度の位置にいないと届かなかったです。

 

 前述通り、アナザートゥルースグリムはベストポジションでレースを運べました。ただ、グリムが早めに仕掛けたのに対して、アナザートゥルースは勝負どころでもうひとつ脚を残せた分、上回った感じ。その点とグリムは1㎏多く背負っていたことを考えると、2頭は甲乙つけがたいと思います。また、アナザートゥルースは今回から右側だけブリンカーを着用。モタれる面も見せず、効果は十分にありました。グリムもこれまでとは違って控える競馬ができましたし、内容的にも2頭は収穫が大きかったです。共に前走が名古屋大賞典。これで同組から5年連続で馬券圏内に入っただけに来年以降も要注意ですね。

 ロンドンタウンは終始グリムを見る位置。②着とはクビ差、後続には2馬身半差をつけ、ゴール前の脚色は互角以上。吉田隼人騎手は「いつも勝負どころでズブさを出すので、意識して早目に踏んでいきましたが、馬場が軽くなっている分、4角で前に少し離されました。乾いた馬場なら、もっと際どいレースになっていたと思います」とのこと。

 1番人気のウェスタールンドは④着。⑤着ナムラアラシと共に前半は離れた後方を追走。今回はお互いに位置取りが悪過ぎましたし、勝負どころの動きもチグハグな感じ。また、ウェスタールンドは左トモの落鉄があったようです。

 ヒラボクラターシュは名古屋大賞典②着でしたが、連闘でマーチSを使ってから中2週での参戦。位置取りとしては悪くありませんでしたが、伸び切れなかったあたりに疲れがあったのではないでしょうか。テーオーエナジーは展開が厳しかった上に、初めて背負う斤量58㎏の影響もあったと思います。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。