11月16日に東京競馬場で行われた第24回GⅢ東京スポーツ杯2歳S(芝1800m・2歳・馬齢重量)は単勝1番人気に支持されたコントレイルが優勝。直線に向いて先頭に立つと、後続を引き離し、終ってみれば5馬身差をつける大楽勝。1分44秒5という勝ちタイムは2017年にオブセッションが阪神芝1800mでマークした時計を1秒1更新するJRA2歳レコード。鞍上は短期騎手免許を取得し、この日から日本での騎乗をスタートしたR.ムーア騎手。管理するのは栗東・矢作芳人調教師。コントレイルは北海道新冠町・ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタートは今ひとつでも極端な瞬発力勝負になることを嫌ってマイネルデステリョがハナに立ち、半マイル通過は47秒1と、緩みはなくても全体的には落ち着いた流れ。それで全体の時計は旧2歳コースレコードを1秒4も更新したのですから、上がりの速さは規格外といえます。

【レース分析】 勝ったコントレイル(1番人気)はキャリア2戦目に初東上でも体重に変化はなく、テンションなどに関しても許容範囲。レースでも中団で折り合いがついて、直線で外に出して鞍上が豪快なアクションで追い始めると一気に加速。最後は後続を突き放す一方の圧勝劇でした

 

コントレイルの4代血統表

 

 「強かったです。いいペースで流れていましたが、じっと我慢していられましたし、最後はよく伸びてくれました。そこまで速いとは感じませんでしたが、思ったよりタイムも出ましたね。いい馬ですね。トップクラスですよ」R.ムーア騎手がレース後にコメント。Cコース替わりで前週までより馬場は高速化していましたが、それにしてもこのタイムは破格で、世界的な名手に賞賛されたのも頷けます。ここまで今年の2歳世代は牝馬の層が厚い印象でしたが、ついに牡馬にも大物が登場しましたね。

 

 

 ②着のアルジャンナ(2番人気)は勝ち馬から5馬身差ですが、こちらも旧レコードを更新する走破タイム。しかも全体の雰囲気から完成度の差が大きかった印象もありましたので、今後の成長に期待したいところです。③着ラインベック(3番人気)は更に②着馬から4馬身差でしたが、過去2戦が道悪、対戦相手のレベルも高くありませんでしたから、ある程度は納得の結果でしょう。先に向けては高レベルのレースを経験したことや血統的な伸びしろに注目したいですね。

 ④着オーロラフラッシュ(4番人気)は一瞬、③着はありそうな脚勢で伸びていて、未勝利を勝ったばかり、紅一点としては善戦といえる内容でした。発馬で少しロスがあった⑤着リグージュ(5番人気)、正攻法の競馬をした⑥着マイネルデステリョ(7番人気)ともども、自己条件の1勝クラスに出走してくれば見直しが必要になるでしょう。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

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