9月22日に中山競馬場で行われた第65回GⅡオールカマー(芝2200m・3歳以上・別定)は単勝4番人気のスティッフェリオが鮮やかに逃げ切って優勝。重賞3勝目を挙げ、GⅠ天皇賞(秋)の優先出走権を獲得した。昨夏以降、コンビを組み、手の内に入れている丸山元気騎手がペースを読み切った好判断で勝利に導いた。管理するのは栗東・音無秀孝調教師。スティッフェリオは北海道千歳市・社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 徹底先行型が不在。スティッフェリオがジワッとハナを奪って前半1000mは61秒8のスローペース。人気を背負うレイデオロウインブライトにとってここが秋緒戦、そしてGⅠを見据えての前哨戦。己の競馬の形を崩したくはないはずで、積極的なレース運びはしないだろうというのが自分の戦前の見立て。展開の読みはバッチリだった。

 

【レース分析】 勝ったスティッフェリオはハナを切り、道中は淡々としたペースで馬群を先導。残り4ハロン付近からペースを上げていった丸山元気騎手の好判断も光り、危なげなく押し切った。スティッフェリオ自身も昨年の夏を境に、力をつけており、決してフロックではない。馬体には無駄肉がなく、柔軟な身のこなし。宝塚記念以来の実戦だが、仕上がりも抜群だった。

 

スティッフェリオの4代血統表

 

 「馬はいい雰囲気でした。リズム良く運べましたし、4コーナーからの反応も良かったです。作戦通り、うまくいきましたね。このあとは天皇賞のようですが、広いコースでもいい競馬ができるように頑張りたいです。素直でどんな競馬にも対応できる馬です」丸山元気騎手。その丸山騎手はこれが今年4つめのJRA重賞勝利。デビューから昨年まで4勝だから今年、大きく飛躍を遂げた。定量戦の天皇賞(秋)では、斤量面のアドバンテージ(今回はレイデオロウインブライトより2キロ軽い56キロ)はなくなるが、人馬とも上昇著しく、注目のコンビと言える。

 

 

 ②着のミッキースワローレイデオロをマークする形で後方に待機。結果的に展開を味方につけたスティッフェリオに押し切られてしまったが、メンバー中、最速の上がり3ハロンをマークし、レイデオロは交わしているだから中身は濃い。馬体もガッシリとして充実期を迎えている印象。GⅠでも展開ひとつでチャンスがありそうだ。

 ③着グレイルは7カ月半ぶりだった前回がプラス16キロと太目残り。今回は馬体が絞れて好仕上がり。内を捌いた戸崎騎手の手腕も大きいが、本調子に戻れば、これぐらいは走れる。

 

 

 1番人気のレイデオロは落ち着きがあって仕上がりも悪くなかったが、本来のパフォーマンスを発揮できなかった。瞬発力に秀でたタイプではないから折り合いを重視してレースを進めた分、今回は位置取りが後ろになり過ぎたか。もう1頭の人気馬ウインブライトは前を射程圏に入れ、レース運びは悪くなかった。しかし、4コーナーでは手応えが怪しくなり、早々に後退。休み明けでテンションは高かったが、敗因がハッキリしない。

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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