5月16日に東京競馬場で行われた第65回GⅡ京王杯スプリングカップ(芝1400m・4歳以上・別定)はダノンスマッシュ(単勝2番人気)が鮮やかに逃げ切って優勝。5つめとなるJRA重賞タイトルを獲得した。鞍上は今回、初めてコンビを組んだD.レーン騎手。管理するのは栗東・安田隆行調教師。この結果、ダノンスマッシュはGⅠ安田記念(6/7・東京競馬場)の優先出走権を獲得した。ダノンスマッシュは北海道新ひだか町・ケイアイファームの生産馬。馬主は㈱ダノックス。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 降り続いた雨の影響で馬場状態は稍重。それでも、時計の出やすいコンディションであった。ハナ候補と目されたセイウンコウセイを制してダノンスマッシュが外から主導権を握る。前半3ハロン通過は35秒2。スローペースに落とした時点で勝負あり。危なげなく逃げ切った。

 

【レース分析】 ダノンスマッシュは軽快な脚捌き。前走のGⅠ高松宮記念は結果が出なかったが、好調キープしていた。近走はスタートが今ひとつでしたが、今回はD.レーン騎手の手腕、そしてゲート入りが最後だったこともあってか、しっかりと発馬を決めることができました。ゆったりとしたペースで馬群を引っ張れたのが勝因ですが、稍重発表ながらレコードに0秒4差という勝ちタイムは非常に優秀ですね。

 

 

「京王杯スプリングCを連覇(2019年はタワーオブロンドンに騎乗して勝利)できて嬉しいです。作戦は決めていなかったんですが、いいスタートが切れて、ペースも速くなかったので先頭に立ちました。直線での手応えも良かったです。1400mなので最後に疲れてしまわないか心配でしたが、一生懸命に走ってくれました」D.レーン騎手。鞍上にとっては今年、来日してから初めての重賞勝利となった。スタートの課題は依然として付きまとうが、高性能であることを改めてアピールしたダノンスマッシュ。念願のGⅠタイトル獲得へこの勝利が弾みとなるはずだ。

 

ダノンスマッシュの4代血統表

 

 ステルヴィオはボリューム感があって馬体の張りも抜群。こちらもいい状態に映りました。スタートはあまり良くありませんでしたが、外枠だった分、ゴチャつかずにリカバーすることができました。好位を進み、直線では渋太く脚を伸ばして②着。一昨年のGⅠマイルCS以降、勝ち星を挙げられずにいますが、復調をしっかりとアピール。こちらも次走が楽しみになるようなレース内容でした。③着に食い込んだのはグルーヴィット。気配は良く、内枠を生かし、理想的なレース運びを見せましたが、上位2頭には追いつけず。現時点での地力の差が出た格好でしょうか。

 本命に推したストーミーシーは体調こそ良さそうに映りました。もともと差し・追い込みで戦果を挙げてきた馬ですが、前2走は正攻法のレース運びでイメージを一新。今回も積極的に立ち回る競馬を期待したのですが。GⅠレベルの脚力がないと、このメンバーに入って後方から外を回って差し切るのは難しく、展開も不向きでした。昨年はレコードをマークして勝利したタワーオブロンドン。今年は昨年より2キロ重い、58キロを背負い、更に苦手とする緩い馬場。良さを出すことができませんでした。

 

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・③着までの前走を見てみると、勝ち馬=GⅠ⑩着、②着馬=GⅠ⑨着、③着馬=GⅠ⑥着とGⅠ高松宮記念の着順が逆転している。来年以降も前走がGⅠの場合は着順を気にしなくてもいい。

〇前走距離・・・今年は珍しく1200m組が①~③着までを独占したが、前走がGⅠ高松宮記念以外の1200mだった2頭は④⑪着。1200m組でも買えるのはGⅠ高松宮記念から臨んできた馬だけだ。

 


 
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