4/19に中山競馬場で行われた第80回GⅠ皐月賞(芝2000m・3歳・馬齢重量)はコントレイル(単勝1番人気)が優勝。同じく3戦無敗の2歳GⅠ覇者サリオスを捻じ伏せ、土付かずのままクラシック第1冠を制した。鞍上の福永祐一騎手はこれで史上11人目となるクラシック完全制覇の偉業を達成。管理するのは栗東・矢作芳人調教師コントレイルは北海道新冠町・ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

【展開・ペース】 この日は好天に恵まれ、馬場状態は稍重まで回復した。しかし、走破タイムなどを踏まえれば、例年のGⅠ皐月賞よりも1秒5くらいかかっており、重馬場に近いコンディションだったと見ていい。キメラヴェリテが前半1000m通過59秒8という速いペースで引っ張ったことで地力勝負になった。

 

【レース分析】 コントレイルは、父ディープインパクトに似た華奢な造り。それだけ馬体には無駄肉がなく、研ぎ澄まされた印象を受ける。当日のパドックでは落ち着きがあったし、万全の仕上がり。スタートが良く、前めのポジションを取りに行くという選択肢もあったが、リズムを重視して後方待機策。馬群の切れ目から外へ持ち出し、4コーナーを駆け上がってくる姿は2005年、皐月賞でのディープインパクトを彷彿とさせた。最後までサリオスに食い下がられたが、③着は3馬身半離れた。決して得意とは言えない渋った馬場で、このパフォーマンス。まさに圧巻だった。

 

コントレイルの4代血統表

 

「想定外のレースになってしまってヒヤヒヤさせてしまいましたが、非常に強かったですね。返し馬の走りが良くて、これなら今まで以上の脚が使えるだろうと思っていました。スタートが良くて先行力のある馬ですが、今日は1番枠で内の悪いところを走らされて進んでいこうとしませんでした。それで無理はさせませんでしたが、2コーナーではかなり後ろだったのでこれは大変だと思っていました。こういう形になったら外を回す形しかありませんが、出してからは楽に上がっていけましたし、4コーナーでは突き抜けるかと思うほどの手応えでした。ただ、②着馬も強いですからね。簡単には勝たせてもらえませんでした。今日の内容なら距離が延びてもという走りでしたし、ダービーが楽しみになりました」福永祐一騎手。今日のレース内容であれば、父ディープインパクト以来となる無敗でのダービー制覇も十分に可能だろう。

 

 

 サリオスは当日の馬体重が536キロ。コントレイルと比較すると、どっしりとして迫力満点。休む前よりも体が締まって見えた点からいよいよ中身が伴ってきた。3強の中では一番前のポジション。直線は外からコントレイルが伸びてくるとこれに瞬時に反応。馬体を併せて競り合う形で脚を使い、③着は引き離した。非常に操縦性が高い点も長所。この馬も相当な器だ。

 ガロアクリークはGⅡスプリングSから体が引き締まって、柔軟性が増して上昇一途という感じ。直線に向いたところでコントレイルには一気に離されたものの、渋太く脚を伸ばしてきた。2000mでこれだけ走れたのは収穫。サトノフラッグは身のこなし滑らかで、気配は抜群だったが、直線の追い比べで脱落。GⅡ弥生賞ではこなしていたが、本質的に渋った馬場は良くないのだろう

 

                                 text by 京増 真臣

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・好走馬の前走は・・・①②着馬=GⅠ①着、③着馬=GⅡ①着。やはりGⅠだけに重賞組はGⅡ弥生賞を除き、前走②着以内に入っていないと厳しくHレベル。

〇レース間隔・・・休み明けながら連対した2頭は前走がGⅠ。逆に休み明け+GⅠ以外だった馬は4頭出走していずれも⑥着以下に敗れた。

〇前走馬体重・・・勝ったコントレイルは前走が462キロ。前走馬体重による減点は来年以降は不採用としたい。

〇距離経験・・・②着サリオスはマイルまでしか経験がなかったが、好走。この項目も来年以降は不採用に。

 


 
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