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第65回 京成杯オータムH 回顧

 

 9月13日に中山競馬場で行われたサマーマイルシリーズ第4戦・第65回GⅢ京成杯オータムハンデ(芝1600m・3歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)はトロワゼトワル(単勝4番人気)が昨年に引き続いて優勝。この結果、トロワゼトワルは累計ポイントを16とし、シリーズ王者に輝きました。鞍上は横山典弘騎手。栗東・安田隆行調教師はGⅡセントウルスSをダノンスマッシュで制し、管理馬による同日重賞制覇の快挙を成し遂げました。2頭とも師が手がけたロードカナロアの産駒でした。トロワゼトワルは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタート後、内の馬の出方を窺いつつ、スマイルカナがハナを奪取。スタートが速かったトロワゼトワルは、逃げる構えは見せず、スマイルカナが行き切った後に、じわっとポジションを上げて2番手へ。以降の隊列はすんなりと決まり、行った行ったの決着になりました。

 

 

今年も黄色帽子、縦縞の勝負服が躍動

【レース分析】 勝ったトロワゼトワルは、前走のGⅢ関屋記念と同様に覇気が感じられ、好調をキープ。テンに競り合うことを避け、逃げるスマイルカナを深追いせずに1〜2馬身ほど離れた2番手を進みました。やや速めのペースでしたが、ポジションは理想的。ゴール寸前で粘るスマイルカナをきっちり捉え、当レース連覇を達成。横山典弘騎手の手綱捌きが絶妙でしたが、トロワゼトワル自身は昨年よりも3キロ重いハンデを背負っての勝利ですから、力をつけていることも確かですね。

「連覇は嬉しいですね。今日も馬のリズムを大事にして走らせました。1年前と違って大人になっていたので、冷静に走って、あのポジションでちょうど良かったです。最後、差は僅かでしたが、よく頑張ってくれました」横山典弘騎手。昨年は1分30秒3というレコードタイムでしたが、今年は良馬場でも水分を含むタフな馬場を克服しての連覇は高く評価していいでしょう。

 

トロワゼトワルの4代血統表

 

立て直した効果感じたスマイルカナ

 ②着スマイルカナは、パドックや本馬場入場の際、いくらかうるさかったですが、この程度は許容範囲内。プラス14キロと前走時に減っていた馬体は回復。動きには柔らかみがあって、いい状態に映りました。前半4ハロン46秒7ー後半4F47秒2という前傾ラップで、良馬場ながら時計のかかるコンディション。決して楽では展開でしたが、ハナ差に粘った内容は立派と言えるでしょう。

 

 

 ボンセルヴィーソはパドックでテンポ良く周回し、気配良好。3番手のインに収まり、内枠を最大限に生かして僅差③着。開幕週で芝が生え揃い、馬場の回復期ということもあって内有利のトラックバイアス。いろいろ嵌まりましたが、今後も展開などがうまく噛み合えば重賞制覇のチャンスもありそうですね。1番人気アンドラステは勝負どころでゴチャつき、直線でも進路取りに苦労。力を出し切ることができませんでした。

 

 

                                 text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】


〇前走クラス・・・①、②着馬の前走を見ると、GⅢ②着、OP特別①着。好走歴がなかったOP特別組が連対を果たしており、来年以降は前走がOP特別でも勝っていれば連対可能と条件を変更したい。

〇斤量増減・・・①、②着馬はともに前走より斤量が増えていながら好走。今後は前走比の斤量の増減により取捨選択をするのは避けた方が賢明だ。

〇種牡馬・・・3頭出走したディープインパクト産駒からスマイルカナが②着に好走。対するダイワメジャー産駒も3頭いたが、人気薄のボンセルヴィーソが③着と気を吐いた。ダイワメジャー産駒は連対は難しいものの、③着候補として狙っていきたい。

〇準OP組・・・前走で後続を0秒3離しており、勝利を期待したアフランシールだったが、⑫着に惨敗。ただ、サンプル数が少なく、まだ該当馬を見限るのは危険な印象も。来年以降も条件を満たす馬がいれば注意が必要に。

 

 


 
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