9月21日に中山競馬場で行われた第74回GⅡセントライト記念(芝2200m・3歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はバビット(単勝4番人気)が優勝。未勝利戦から4連勝を達成。春2冠で健闘した面々を蹴散らし、GⅠ菊花賞の有力候補に名乗りを挙げました。鞍上の内田博幸騎手、管理する栗東・浜田多実雄調教師はGⅡセントライト記念はともに初勝利。この結果、バビットサトノフラッグガロアクリークの3頭がGⅠ菊花賞の優先出走権を獲得しました。バビットは北海道浦河町大北牧場の生産馬。馬主は宮田直也さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 戦前の予想通り、主導権を握ったのはバビット。前・後半の1000mを比較すると62秒5~60秒4、2分15秒0という決着。ひとつ前に行われた芝2000mの2勝クラスは60秒8~61秒6というバランス。今開催の中山の芝は非常に時計のかかるコンディションだけに例年と比較して平凡なタイムとなった点は仕方ないと言えます。

 

福島から連勝街道を歩み、いざGⅠへ

【レース分析】 バビットはマイペースの逃げ。下り坂となっている向正面の半ばからジワッとペースUP。3コーナーでガロアクリークに迫られますが、そこで鞍上が促すとスッと加速し、これを振り切って直線へ。外からサトノフラッグが脚を伸ばしてきますが、最後まで馬体を並べられることなく1馬身半差をつけてゴール。自分の形に持ち込めたとはいえ、まったく危なげのない勝利。2走前はコーナー2回、新潟外回りの上がり勝負を制し、前走は開幕週とはいえ、稍重のタフな馬場で重賞勝ち。そして今回は時計のかかる良馬場で結果を出したように走る条件を選びません。菊花賞ではマークがキツくなることが予想されますが、他馬も坂越えの3000mは初めての経験。コントレイルより前で立ち回り、慌てさせるようなレース運びを期待したいですね。

「何度もハナへ行っている馬。ゲートの中がおとなしかったですし、スタートもセンスが良くてサッと馬の方から行ったので、それに自分が合わせていきました。前走もそうでしたが、4コーナーを回ってからスピードに乗っていってくれますね。そのあたりは馬が覚えているのでしょう。前走がフロック気味に思われていましたから、今日はどれだけのパフォーマンスをしてくれるかと思っていましたが、なかなかいいスタミナを持っていて、渋太い粘りを見せてくれましたね。本番は距離が延びますが、折り合いのつく馬ですし、この馬の競馬ができれば十分チャンスはあると思います」内田博幸騎手。GⅠ菊花賞2勝ジョッキーも好感触を得て、京都へと乗り込みます。

 

バビットの4代血統表

 

得意の中山で力示したサトノフラッグ

 サトノフラッグは有力馬を前に見ながら中団を追走。3コーナー付近から一気にポジションを上げ、直線入り口ではバビットに迫ります。馬体を併せに行こうとしますが、もうひと伸びが利かず、最後は勝ち馬と同じような脚勢となってゴール。「いい感じでしたが、怖いなと思っていた馬に勝たれてしまいました。最後の坂で伸び切れなかったのは休み明けの分だと思います。叩いて更に良くなると思います」戸崎騎手。ひと夏を越して、もう少し馬体の成長があれば理想的でしたが、②着は確保。春2冠で後塵を拝したガロアクリークには先着したわけですから、いい滑り出しだったと見ていいでしょう。

 

 

 ガロアクリークは好位のインで脚をためて、手応え良く直線に向けました。しかし、追ってからは少し頭が高くなり、上位2頭には伸び負ける格好に。まだまだ心身とも成長の余地を残してはいますが、現状だと更に距離が延びる点はプラスとは言いづらく、逆転まではどうかという印象を持ちました。ヴァルコスは出脚が付くまでに時間がかかり後方から。仕掛けても反応が鈍く、いかにも休み明けというレースぶり。中山コースも初めてでしたが、最後は流石と思わせる脚を使いました。⑤着に終わりましたが、こちらは距離延長は歓迎のタイプ。上積みも見込め、本番での変身に注意が必要です。

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走GⅢ①着、②着馬はGⅠ日本ダービー⑪着、③着馬はGⅠ日本ダービー⑥着。いずれも好走条件を満たす馬が馬券に絡んだ。

〇レース間隔・・・休み明け+前走が非重賞だった馬は6頭出走していずれも④着が最高着順だった。

〇前走馬体重・・・勝ったバビットは前走の馬体重が454キロ。来年以降は馬体重により取捨を決定するのは避けた方がいいだろう。

〇日本ダービー組・・・前走がGⅠ日本ダービーで4番人気以内に支持されていたサトノフラッグが②着に好走した。条件に当て嵌まる馬は今後も馬券の軸として信頼できる。

 

 


 
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