競馬 研究ニュース

第38回 東海S 回顧

 

直線半ばで抜け出して重賞初制覇を決める

 

2021年1月24日(日) 1回中京8日

京都開催の昨年は除く

 週末は雨で日曜は朝から水が浮く不良馬場。時計は出る状態でした。レースはインティがハナを目指しますが、内からは出ムチを入れてダイシンインディーが、外からはケイアイパープルも押して前へ。結果、例年なら流れが落ち着く3ハロン目も11秒8と高止まりしています。前半の800m通過が47秒6、1000m通過59秒3。一昨年、インティが逃げ切った時で800m通過49秒2、1000m通過61秒5ですから明らかに速い。更に向正面で11秒7とペースが上がり、勝負どころでも早めに来られたインティは息を入れられるところがありませんでした。残り2ハロンで12秒2とペースが上がって万事休す。自分のリズムで運べないと脆い面を残すのは相変わらずでした。

 勝ったオーヴェルニュは今回が重賞初挑戦。それがスタートから積極的に立ち回る競馬。終始前の3頭にプレッシャーを与えつつ直線で抜け出す横綱相撲。軽い馬場が合っているとはいえ、このペースですから強さを額面通りに受け取っていいでしょう。楽しみな馬が現れましたね。ポジションを取って馬を保たすのが上手な川田騎手ともマッチしていました。また、スマートファルコン産駒はJRA重賞初勝利になります。前述通り前の3頭には厳しい競馬となりました。その中ではケイアイパープルが勝ち馬に終始プレッシャーを与えられながらも頑張りました。休み明けで過去最高体重だったことを考えても中身は濃かったです。

 アナザートゥルースは勝ち馬を見ながらレースを進めることができました。「勝負どころで苦しくなって」と松山騎手が話していたように、手応えが良かったとはいえない中で、3角でダイシンインディーが下がってきた時にうまく進路を確保したあたりは鞍上の好判断。終始砂を被らせない位置取りも考えての騎乗でしょう。馬自身も最後まで渋太く脚を使って②着争いを制したのは地力の高さ。

 紅一点メモリーコウはうまく内のポケットに入れられて直線だけ外へ。外枠でしたが、先行争いに巻き込まれることなく、いい感じで脚をが溜まっていました。牡馬相手、それもJRA重賞は初めてでしたから、この③着は高く評価できます。データ室で12番人気の同馬を相手候補に挙げられたことは嬉しかったのです。ただ、肝心の◎を間違っているようでは……。そのあたりは来年修正していきたいと思います。デュードヴァンは後方からじっくりと。展開が嵌まったとはいえ、レース最速上がりで②着とはハナ、クビ差。1800mでも終いを生かす形で展開が向けばチャンスはありそうです。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。