2021年4月4日(日) 2回阪神4日

 芝、ダートともに良馬場スタートでしたが、お昼過ぎから雨が降り出して、メインレースは重馬場で行われました。前半59秒8、後半61秒8。まだ稍重だった9R2勝クラスが前半61秒8で、2分1秒4。前日の6R1勝クラスは前半60秒3で、1分59秒1の決着。馬場状態を考えると結構なペースだったのではないでしょうか。

 前年の三冠馬コントレイル、前年の最優秀短距離馬グランアレグリア、そして三冠馬とのクラシック対決で2度の2着に泣いたサリオス、戦前は3強対決といった評判でした。オッズも3強が1.8、2.8、5.8倍で、10倍を切ったのはこの3頭だけ。

 その3強を振り切って栄冠に輝いたのは4番人気のレイパパレ。デビューから無傷の6連勝でG1制覇という偉業を達成しました。ゲート自体は左にヨレてひと息でしたが、行き脚がつくとサッとハナへ。極端に抑えることはせず、馬の気に任せたペースでタテ長の展開。3角で12秒8と少し息が入りますが、残り4ハロンから12秒2→12秒1→11秒6とペースアップ。直線は馬場のいい大外に出して、押し切りました。さすがにラストは13秒1とかかりましたが、後続も追い上げる力は残っておらず、逆に追いすがるコントレイルらを4馬身突き放す格好に。川田騎手が作り出したラップメイクも素晴らしかったですが、こちらが考えていた以上に馬が強かった。道悪適性だけでは片づけられません。

 

 2着には6番人気のモズベッロが入って、馬連は19,080円の万馬券決着。弊社、「穴の石井俊」TMはモズベッロ◎で見事に的中しました。昨年の宝塚記念③着馬。実力と共に道悪適性も十分でした。石井俊TM曰く、「休み明けの有馬記念は状態が今ひとつだったけど、徐々に調子を上げてデキは今期一番だった」とのこと。また、人気を背負って勝ち馬を追いかけた組と違って、こちらは末脚勝負。ちょうど人気のコントレイルを見ながらレースを進められたのも大きかったです。宝塚記念でもコンビを組んだ池添騎手は、この馬の持ち味である息の長い末脚を引き出す好騎乗。色々と噛み合っての②着ですが、今後も嵌まれば大仕事をやってのける可能性があるでしょう。

 続いて、上位人気に支持されたコントレイルグランアレグリアサリオスが③④⑤着。コントレイルはプラス16㎏でしたが、成長分といった馬体の造り。道中は中団でレースを進めて、残り5ハロン標あたりから徐々に進出を開始。自分から前を捉まえにいって突き放された格好ですが、これは相手を褒めるべきでしょう。モズベッロに差されたのは展開のアヤ。グランアレグリアには競り勝って馬券圏内に入り、最低限の仕事は果たせたのかなと。グランアレグリアは5番手で運んで、勝負どころで外から来たコントレイルと一緒に動いていく形。コントレイルには競り負けましたが、未知の2000mでこの馬場はちょっと可哀相でした。今回の一戦で評価を落とす必要はありません。サリオスは好位で宥められながら。直線は他の有力馬が馬場のいい箇所を選んで走っていたのに対して、最後までラチ沿いを通る形。この行きっぷりと直線の進路選択ですから道悪自体は問題なかったと思いますが、やはり外の方が伸びる馬場だったのは確か。それに、④着馬もそうですが、マイルCS以来という休み明けでタフな競馬を考えると頑張っているでしょう。

text by 小林  

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。