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第41回 ジャパンカップ 回顧

 

 11月28日(日曜)に東京競馬場で行われた第41回GⅠジャパンカップ(芝2400m・3歳以上・国際・晴れ・良馬場)は単勝1番人気に支持されたコントレイルが優勝。ラストランを勝利で飾った。騎乗した福永祐一騎手、管理する栗東・矢作芳人調教師とも当レースは初勝利。コントレイルは北海道新冠町ノースヒルズの生産馬。馬主は前田晋二さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 アーモンドアイが勝った昨年と同様にキセキが先導役を買って出ると予想。しかし、キセキはスタートで後手を踏み、後方から。果敢に主導権を握ったのはアリストテレスでした。前半1000m通過は62秒2という超スローペースでしたが、向正面でキセキが動いたことによって、一気にペースアップ。オーソリティシャフリヤールを前に見ながら運んでいたコントレイルにとってはレースがしやすくなりましたね。

 

▲パドックを歩くコントレイル(撮影:yu~kun)ラストランだが、お釣りを残さず目一杯に仕上げてきた。

 

最終走で三冠馬の力と威厳を示す

【レース分析】 コントレイル(1番人気)は昨年のジャパンカップ(②着)と同じ馬体重。無駄肉を削ぎ落とし、研ぎ澄まされた体つき。テンションも高くなり過ぎず、脚捌きもシャープ。万全の状態に映りました。課題とされたスタートをしっかりと出ると、前を射程圏に入れて中団を進みました。シャフリヤールをマークしながら、仕掛けのタイミングも絶妙。メンバー唯一、上がり3ハロン33秒台をマークし、突き抜けて終わってみれば2馬身差の完勝。ディープインパクトの後継者を決定づける走り、勝利になったと言っていいでしょう。

 

 

「非常にコンディションが良かったし、課題であったスタートが決まったことでいいポジションで運ぶことができましたね。あとは馬を信じる以外、何もありませんでした。今までのジョッキー人生のすべてをこの馬に注ぎ込んで、それに応えてくれましたからね。今日で終わりだと思うと込み上げるものがありますし、本当に立派な走りを見せてくれて感動しています。コロナ禍の中に生まれた三冠馬で、暗い世の中に光を差し込んでくれた馬。まだ制限つきではありますけど、最後の雄姿をお客様の前で見せることができて、心から良かったです」福永祐一騎手はコメント。日本ダービーでの勝利後、無人のスタンドに向けて深々と一礼したコントレイル福永騎手。同じ東京競馬場で、最後はスタンドで別れを惜しむファンに向かって挨拶することが叶いました。現役生活を終えたディープインパクト晩年の傑作。その血を受け継いだ産駒がターフに登場する日を楽しみに待ちたいですね。

 

▲昨年の日本ダービーでは無人のスタンドに向かって一礼したコントレイル福永騎手。

コントレイルの4代血統表

 

GⅠ獲りへ前進したオーソリティ

 オーソリティ(3番人気)は中2週のローテーションでしたが、ボリュームのある馬体を維持。落ち着きもあって叩いた上積みは十分。1、2番人気に推されたディープインパクト産駒より前のポジションを取り、完璧なレース運びでしたが、今回に関してはコントレイルが一枚上。同世代の三冠馬に2馬身遅れましたが、後続は離して地力強化をアピール。現4歳世代の代表として今後のGⅠ戦線でも活躍を期待したいところ。

 

▲引退式に臨んだコントレイル。闇が包む東京競馬場には多くのファンが残り、その雄姿を見守った。

 

 シャフリヤール(2番人気)はスラっとした均整の取れた造り。身のこなしはとても滑らか。神戸新聞杯当時よりもテンションも上がっておらず、立て直していい仕上がりに映りました。好スタートを決め、無理をせずに好位に陣取れましたが、1コーナーに入るところでャドウディーヴァが内に入った影響で、1列ポジションを下げてしまい、またバランスを崩し、内ラチに接触したのは誤算。直線はコントレイルと併せるように伸びてきたものの、ラスト1ハロンで脚が鈍ってしまいました。

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走GⅠで0秒1差②着、②着馬はGⅡで優勝とどちらも連対条件を満たしていた。

〇馬齢・・・今年は4歳がワンツーを決めた。6歳以上はサンレイポケットの④着が最高着順。やはり馬券圏内に食い込むのは難しいようだ。

〇牡馬三冠馬・・・2000年以降、前年の牡馬三冠馬はコントレイルを含め、3頭出走して①②①着。今後も出走してくるようなら馬券の軸として期待できる。また好調な1枠からも今後も目が離せない。

 

 

 

《ジャパンカップ 2016-20》

 

 

 

 

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