4月2日(土曜)に中山競馬場で行われた第54回GⅢダービー卿チャレンジトロフィー(芝1600m・4歳以上・ハンデ・晴れ・良馬場)はタイムトゥヘヴン(単勝11番人気)が外から豪快に差し切って優勝。騎乗した大野拓弥騎手、管理する美浦・戸田博文調教師とも当レースは初勝利。タイムトゥヘヴンは北海道日高町オリオンファームの生産馬。馬主はDMMドリームクラブ㈱

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 逃げ・先行タイプが多い組み合わせ。その中でリフレイムが積極的に仕掛けてハナを奪いました。前半の800m通過タイムが45秒5ですからこれはハイペース。更にリフレイムにとっては息を入れたい3~4コーナーでトーラスジェミニが動いたことで、差し・追い込み有利の展開になりました。

 

▲状態の良さが感じられたタイムトゥヘヴン(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】 タイムトゥヘヴン(11番人気)は落ち着きがあって身のこなしは滑らか。状態は良さそうに映りました。スタート後はスッと控えて後方を追走。大野騎手の腹を括った決め打ちの作戦がピッタリ嵌まりましたね。今週は芝はBコース替わりでしたが、適度に水分を含んでいたこともあって内有利とはなりませんでした。フォルコメンをマークするように動き出し、直線は大外一気。成績はムラですが、展開が噛み合うと穴をあけるタイプ。昨秋の富士Sは10番人気ながら③着に食い込みました。これからも警戒が必要でしょうね。キストゥヘヴンの仔は気性の強さ、激しさを抱える分だけ大成してきませんでした。さすがは現役時代の母を管理した戸田博文厩舎。その性格を熟知しており、重賞タイトルを獲得できたのは厩舎の力も大きかったのではないでしょうか。

 

タイムトゥヘヴンの4代血統表

 

「午前中から馬場の傾向が外伸びでしたし、今日は内枠だったので一旦下げてから外へ出す競馬を選択しました。自分にとって久々の重賞勝ちで嬉しいです。それとこの馬はキストゥヘヴンの子供と言うことで、戸田先生も感慨深いものがあったと思いますし、凄く喜んでもらえたのも嬉しかったです。切れる脚を持っている馬なので、それを生かし、レベルの高い相手にも頑張っていってほしいと思います」とレース後に大野騎手はコメント。冷静に馬場傾向を見極め、勝利に導いた騎乗は素晴らしく、賞賛に値します。

 

 

 フォルコメン(12番人気)は良好な体の張り。返し馬までホライゾネットを着け、テンションが上がるのも我慢できていました。スタートが今ひとつだったことで後方待機策を選択。確かに展開も嵌まりましたが、中山マイルのM.デムーロ騎手は仕掛けるタイミングが抜群ですよね。勝ち馬の瞬発力に屈した形ですが、一旦は抜け出しており中身の濃い②着。ダーリントンホール(1番人気)は馬体が増えていましたが、前回と比較すると引き締まっていて、テンションが上がっていなかったのも好感が持てました。スタートはあまり速くないものの、流れに乗ったレース運び。直線は渋太く脚を伸ばして③着に食い込みました。上位2頭よりも重いハンデを背負っての好走。改めて地力の高さは示しました。

 

 

 本命に推したのはカイザーミノル(5番人気)。テンションの高さはいつものことで、馬体が12キロ減っていましたが、それほど細くは見えませんでした。直線は馬場の内を突き、見せ場を作ったもののそこまで。馬場状態は稍重から良馬場に回復したものの、この日の芝は外からの差しが利く傾向。また足元が緩かったのも影響したかもしれません。

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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