7月16日(土曜)に函館競馬場で行われた第54回GⅢ函館2歳S(芝1200m・2歳・馬齢重量・小雨・稍重)はブトンドール(単勝4番人気)が直線で外から豪快に差し切って優勝。騎乗した鮫島克駿騎手、管理する栗東・池添学調教師ともに函館2歳Sは初勝利。ブトンドールは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(同)雅苑興業

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 先手候補と思われたニシノシークレットが控える形を選択し、ニーナブロンドも競り合いを避けたので、好スタートを切ったクリダームが無理なく主導権を握る形に。ただ、稍重の発表以上にタフな状態に映ったこの日の馬場で2ハロン目に10秒7、3ハロン通過34秒5は見た目以上に速く、ラストの1ハロンは13秒1を要し、差し・追い込みタイプが殺到してくる展開となりました。

 

 

【レース分析】 勝ったブトンドール(単勝4番人気)はスタートを決めましたが、外枠だったこともあって折り合いに専念。徐々にポジションが下がり、3コーナーあたりでは先行勢とかなりの差がありましたが、馬群の外から追い上げ態勢に入ると直線を向いてからも脚いろは鈍らず、一気に伸びてゴール前で逃げ粘る②着馬を捉えました。

 

 

「直線を向くまで、この馬のリズムでしっかりと走れれば、と思っていました。②着馬が遠いところにいたので届くかなと思いましたが、何とか鼓舞しながら、馬もそれに応えてくれて、ラスト100mでは交わさせると確信を持てました。こうやって函館競馬に参戦させてもらって、最後に結果を出すことができて良かったですとレース後に鮫島克駿騎手はコメント。このレースには鮫島克駿騎手が騎乗し、初勝利を挙げた馬が計4頭出走していて、結果的に選んだ馬で優勝できたことになるので、鞍上の喜びはひとしおでしょうし、馬も追い不足気味だった初戦を叩いて馬体が8キロ絞れ、良化度も大きかったと思われます。今後は時計勝負への対応が鍵になりますが、脚質的に距離は父よりも融通が利く印象を受けました。

 

ブトンドールの4代血統表

 

 ②着クリダーム(3番人気)はペース、馬場状態を考えれば正攻法で0秒2差は負けて強しの内容。初戦を2番手から抜け出す形で勝っているので一本調子な脚質でもありませんし、こちらはスピードタイプとしての活躍が期待できそうです。③着オマツリオトコ(8番人気)は逆に展開、タフな馬場が味方しての好走でしょうが、ダート1000mでラストは流して楽勝だった初戦の勝ちっぷりからも潜在能力は高く、すべての面で恵まれたと片付けるのは早計。勿論、ダートの適性も高く、今後の動向からも目が離せません。

 

 

 1番人気に支持されて本紙でも◎にしていたスプレモフレイバーは⑧着。②着馬の直後から勝ちにいく競馬をして伸び切れなかったところを見ると、ペース的にも厳しかったですが、本質的に道悪は合わなかった様子。初戦ではセンスのいい走りを見せていましたから、時計勝負の1400mあたりで、改めてレースぶりを確認したいと感じました。2番人気で⑪着のミシェラドラータもスタートが今ひとつだった上に、4コーナー手前でバテてきた馬の後ろに嵌まって行き場がなくなり、直線も馬場の悪い内に進路を取らざるを得ない不本意な競馬。今回が力負けとは考えない方がいいでしょう。

 

 

 

 

        text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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