11月13日(日曜)に福島競馬場で行われた第58回GⅢ福島記念(芝2000m・3歳以上・ハンデ・曇り・良馬場)はユニコーンライオンが優勝。騎乗した国分優作騎手は福島記念初勝利。管理する栗東・矢作芳人調教師は昨年に続き連覇となりました。ユニコーンライオンは米国デザートスターフェニックス社の生産馬。馬主はライオンレースホース㈱

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 スタート直後、先行すると思われた4頭が前に出てきましたが、序盤から競り合うような感じにはならず、1コーナーに入る前には枠なりにユニコーンライオンがすんなりと主導権を握る形。前半の1000mが59秒4なのに対し、後半は60秒8。全体のペースは平均の範囲であり、一見すると緩みのない流れですが、4~5ハロン目が12秒6と落ち着いたことによってラスト1ハロンも12秒3と、あまり落ち込むことはなく、差しタイプには厳しい展開となりました

 

 

【レース分析】 勝ったユニコーンライオン(単勝10番人気)の最大の勝因は内枠を引いて、鞍上が迷いなく先手を主張したこと。それを見て同型が無理に競り込まなかったことでしょうが、トップハンデの57キロを背負っての逃げ切りですから、宝塚記念②着などの実績を改めて思い出す結果にもなりました

 

 

 「オーナーにはたくさんのチャンスをいただいているので、勝てて嬉しく思います。この枠が出た時点で他の馬には絶対にスタートで負けず、自信を持って行こうと考えていましたし、道中は馬の邪魔だけしないように乗りました。豊富なスタミナがあり、単騎で行ってもこれだけ集中して走ってくれますし、馬が素晴らしいです。最後までよく頑張ってくれましたとレース後に国分優作騎手はコメント。宝塚記念②着後に丸1年のブランクがありながら、長欠明け4戦目での重賞勝利は陣営の努力の賜物とも言えますが、前半1000mを57秒4で飛ばし、1分59秒2で後続を完封した昨年の僚馬パンサラッサと比べると、正直、内容的には少し物足りない印象。今後も好走するにはメンバー構成や展開がポイントになりそうです。

 

ユニコーンライオンの4代血統表

 

 ②着サトノセシル(3番人気)は有力馬の中で、最も前のポジション取りが連対を確保したことにつながりました。それでも、近走より少し前めの位置で運びながら、最後までしっかりと走り切れたことが収穫。鞍上との相性がいいことも確認できました。③着アラタ(1番人気)は最内枠から中団のインに収まり、道中は手応えも十分。追い上げていく時の勢いも悪くありませんでしたが、その割には前の②着馬も捉え切れず。ただ、もともと追われて鋭く反応するタイプではなく、良くも悪くも相手なりの印象がありますから、今回も力は出していると見るべきでしょうか。

 

 

 そして④着が当日版の本紙で◎にしていたオニャンコポン(2番人気)。中間の一頓挫の影響は感じさせない気配で、レースでは③着馬と並ぶような位置取りでじっくりと脚をためていましたが、こちらも直線での伸びはジリジリといった感じ。54キロのハンデを考えても少し歯痒い内容で、皐月賞⑥着時のパフォーマンスには至っていない印象ですから、もう少し長い目で見た方が良さそうです。▲にした⑤着フォワードアゲン(8番人気)は馬群の中から伸びて掲示板を確保し、新潟記念④着に続いて健闘。同じ日の阪神のように雨が降って、得意の道悪になっていれば、と思わせる走りでした。他で印象に残ったのは、馬群の大外から最後の伸び脚が目についた⑦着ゴールドスミス(4番人気)のレースぶり。外枠でスタートが今ひとつだったことを思えば仕方のない戦い方で、今回は明らかに展開が不向き。それでも8歳馬ながら、今が充実期であることは再確認できたといえます。

 

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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