12月3日(土曜)に中山競馬場で行われた第56回GⅡステイヤーズS(芝3600m・3歳以上・別定・曇り・良馬場)はシルヴァーソニックが優勝。騎乗したD.レーン騎手、管理する栗東・池江泰寿調教師ともステイヤーズSは初勝利。シルヴァーソニックは北海道千歳市社台ファームの生産馬。馬主は(有)社台レースホース

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 最内からディアスティマがハナに立ったのは予想通りでも、1周目から後続との差はあまり開かず、その後もアイアンバローズなどがぴったりとついて行く形で4ハロン目以降は最もラップが緩んだ地点でも13秒3。更に残り1200mあたりからペースが上がり、ラストの1ハロンは12秒4を要し、決め手とスタミナが問われるような展開になりました。

 

 

【レース分析】 勝ったシルヴァーソニック(単勝3番人気)は約7カ月ぶりの実戦でも体重が2キロ増と太め感なく仕上がり、レースでは好位のインでスムーズな立ち回り。他馬が動いた2周目の3コーナーでも鞍上の手綱は持ったままで、しっかりと脚をためて直線もそのまま最内を突き、手応え通り見事に抜け出してきました。

 

▲パドックを歩くシルヴァーソニック(撮影:yu~kun)

 

 「スタートが良かったので、すぐに内ラチにつけて、いいポジションが取れました。直線でもスペースができましたし、そこからいい反応を見せてくれました。今日は強いレースでした。これからも長丁場ではいい走りを見せてくれそうです」とレース後にD.レーン騎手はコメント。最大の勝因は開幕集の馬場も味方につけた鞍上の見事な手綱捌きですが、天皇賞(春)で落馬のアクシデントのあと、骨膜炎もありながら復帰緒戦でマラソンレースを制した陣営の仕上げ、昨年③着時より時計を1秒以上、短縮した馬の能力、レースセンスの良さも称賛されて当然でしょう。今後の動向にも大いに注目したいところです。

 

シルヴァーソニックの4代血統表

 

 ②着プリュムドール(5番人気)は馬場の大外を回って最後までしっかりと伸びており、牝馬でもスタミナに関しては勝ち馬と互角以上。前走で3000mの2勝クラス勝ちより距離が延びて、更にパフォーマンスが上がった印象。コースを問わない強みもありますから、こちらも次走以降、長距離路線での走りが楽しみです。そして③着が私が紙面で◎にしていたディバインフォース(4番人気)。勝負どころから外を追い上げて勝ち馬に内をスクわれ、②着馬には差されて、結果的に早仕掛けのような形で当レースの連覇を果たせませんでしたが、勝ちに行ってのものですから、これは展開のアヤ。自身の走破タイムも昨年①着時より1秒0速いので、力は出し切ったと見るべきでしょう。

 

 

 ④着にも昨年②着アイアンバローズ(2番人気)が粘っていますから、やはりリピーターが強い重賞レースといえますし、小柄な馬体ながら頑張って掲示板に載ったメロディーレーン(11番人気)の善戦も印象的でした。一方、単勝1番人気に支持されたディアスティマは⑨着でしたが、終始、後続にマークされる形。結果論になりますが、序盤は平均ペースで逃げて、後ろとの差を少し広げておいたほうが、能力を発揮しやすかったのではと思わせました

 

 

   text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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