競馬 研究ニュース

第71回 クイーンS 回顧

 7月30日(日曜)に札幌競馬場で行われた第71回GⅢクイーンS(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定・曇り・良馬場)は単勝1番人気に支持されたドゥーラが優勝。管理する栗東・高橋康之調教師、騎乗した斎藤新騎手ともに当レースは初勝利となった。ドゥーラは北海道浦河町グランデファームの生産馬。馬主はサイプレスホールディングス合同会社

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

▲レース動画はコチラをクリック

 

【展開・ペース】 主導権を握ると思われたウインピクシスは隣の枠のライトクオンタムが行く構えを見せたので、その直後で折り合う戦法を選択。グランスラムアスクも行き脚が今ひとつで、1コーナーに入る時にはライトクオンタムが単騎でハナを切る形。それでも、武豊騎手らしく極端にペースを緩めることはせず、序盤の入りが少し遅かったこともあって全体の流れはスローの範囲でも、4ハロン通過からは11秒台後半のラップが平均的に続く流れに。ただ、緩急のないペースになったので勝負どころから馬群が密集しましたし、ラストの1ハロンも要さなかったので、展開的には好位から内を立ち回った馬が、やや有利になった印象を受けました。

 

 

【レース分析】 勝ったドゥーラ(1番人気)を当日版の紙面でも本紙の◎にしていましたが、14キロ減の馬体はパドックの画面越しでも若干、細い印象。それでも、周回している馬の雰囲気、歩様は良く見えたので、今日の一戦に関しては大丈夫という感じでした。レースでは前々走まで懸案にしていたスタートも決めて、スタンド前では先行するのではと思わせるくらいの行きっぷり。中団に控えてからの折り合いもスムーズで、3コーナーを過ぎるあたりから外を追い上げ始めた時の手応えも十分。直線では少し外に切れましたが脚勢は鈍らず、最後まで力強く伸びて後続に1馬身差をつけました。

 

 

 「2週前から調教に乗っていましたが、牧場でも乗ってもらっていたので、函館に入厩してきた時にはもう馬が仕上がっていました。函館では終いの感触と反応を確かめるだけでしたね。ドゥーラが一番強いという気持ちで、凄く自信を持って乗りました。長く脚を使ってくれることは分かっていましたから、ロスなく、リズム良く運ぶことを徹底し、イメージ通りの競馬ができました。馬もよく応えてくれて、力があることを証明できて良かったです」とレース後に斎藤新騎手はコメント。勿論、51キロの軽量の恩恵は大きく、札幌2歳Sの優勝馬でコース適性の高さもありますが、キャリア豊富な古馬と初対戦で馬群の外を早めに追い上げ、熾烈な②着争いに1馬身差は、GⅢでは力が上と言わんばかりの勝ちっぷり。スタンド前のスタートをクリアしたことも収穫でしたし、難敵の待つ秋に向けても楽しみが増すレースぶりでした。

 

ドゥーラの4代血統表

 

 ②着のウインピクシス(9番人気)はこちらの見立てとは異なるレース運びでも、鞍上が好枠を最大限に生かした立ち回りが第一の好走した要因でしょう。抑える競馬でオープンにメドを立てたことも先に向けて明るい材料ですが、昇級後2戦は外枠で失速していたので、今後はそのあたりがポイントになりそうです。③着のコスタボニータ(3番人気)も枠順を生かして内で脚をためて、勝ち馬が直線で外に切れたので進路もできましたが、もうワンテンポ早く追い出せていれば②着には、と思わせるゴール前の伸び。乗り方ひとつで1800mが問題ないことも確認できました。

 

 

 ④着ルビーカサブランカ(2番人気)は道中は勝ち馬と前後する位置にいて、勝負どころでも相手を目標にするように仕掛けましたが、そこでの反応が今ひとつ。中1週が続いた影響か、1800mが少し短いことが、その要因と思われますが、②③着馬とはコース取りの差もありましたし、今回も力は示したと見ていいでしょう。⑤着のイズジョーノキセキも待機策で伸びそうな手応えでしたが、直線では進路が開かずに脚を使い切れませんでした。57キロの斤量も背負っていましたし、この内容で掲示板に載れば、地力に衰えはないといえます。4番人気で⑪着のジネストラは今回、前走と違って、積極的に勝ちに行く競馬をしましたが、それだと平坦コースでも1800mは長かった印象。本質的には速力、機動力のあるマイラーの印象なので、中山の京成杯AHあたりに使われてきた時は、変わり身が見込めると考えています。

 

   

text by 五十嵐 友二

 

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

研究ニュースネット新聞の紙面がご覧いただけます!
下記リンクをクリック
 
 
研究ニュースネット新聞ご購入はコチラをクリック!
 
 

 
 
※記事中の写真は競馬ブックネットSHOPで販売中!
詳しくは写真かチラをクリック!
 
記事中の写真・紙面の無断転載、複製禁止