11月4日(土曜)に東京競馬場で行われた第59回GⅡ京王杯2歳S(芝1400m・2歳・晴れ・良馬場)はコラソンビート(単勝1番人気)が優勝。管理する美浦・加藤士津八調教師はJRA重賞初勝利。騎乗した横山武史騎手は昨年のオオバンブルマイに続く当レース2勝目となった。コラソンビートは北海道新冠町ビッグレッドファームの生産馬。馬主は㈱サラブレッドグラブ・ラフィアン。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
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【展開・ペース】 ジャスパーノワールがハナを切り、5馬身ほど間隔が開いてオーキッドロマンスが2番手を進みました。レースの前後半3ハロンは34秒2~34秒9でしたが、2番手オーキッドロマンスのそれは推定35秒0~34秒2。2番手以降は平均ペースと考えて良く、速い上がりでまとめる能力も問われた一戦でした。
【レース分析】 コラソンビート(1番人気)は体が増えていましたが、これは成長分。上々の仕上がりに映りました。スタートして1完歩目こそ今ひとつでしたが、リズムを崩すことなく、うまくリカバリー。道中は中団でじっくり脚を温存します。直線入り口でスムーズに外へ持ち出し、先行勢との差を詰めると、ゴール前で測ったようにオーキッドロマンスを捉えて快勝。2歳コースレコードをマークした点も評価できます。
「圭太さん(戸崎騎手)がこの馬に競馬を教えてくださっていましたし、能力を信じて乗りました。それに、思いのほかペースが速くなり、折り合いがついて終いに賭けることに専念することができたんです。想像していた以上の脚を使ってくれましたし、馬の能力にも助けられましたね。真面目過ぎるところはありますが、もう1ハロン距離が延びても問題ない馬だと思います」とレース後に横山武史騎手はコメント。ハイレベルなボンドガールが優勝した新馬戦の③着馬。同日、京都で行われた牝馬限定のGⅢファンタジーSではなく、こちらを選択し、牡馬を蹴散らしての戴冠は立派の一語。ちなみに牝馬の優勝は1998年(当時は京王杯3歳S)のウメノファイバー以来。ウメノファイバーは翌年、オークスを制しており、コラソンビートにも大仕事が期待されます。
ロジリオン(8番人気)は少しうるさい面を見せていましたが、それだけ元気で好調キープ。スタートは良かったですが、スッと控え、後方のインで折り合いに専念。直線半ばで前が詰まり、ワンテンポ仕掛けを待たされてしまいましたが、勝ち馬の直後から馬群を捌き、メンバー最速の上がりでクビ差まで迫ってきました。いい決め手がありますね。レースセンスの良さが光ったのがオーキッドロマンス(9番人気)。ポンと好スタートを決め、ジャスパーノワールにハナを譲って離れた2番手を追走。直線で抜け出すタイミングもばっちりでしたが、上位2頭の瞬発力に屈して惜敗。ただ、操縦しやすく、立ち回りのうまさを生かして今後も活躍が見込めます。
バンドシェル(7番人気)は新馬戦を勝って気配が更に良くなっていました。スタートが決まり、馬群の切れ目から内に潜り込んで好位のインに陣取りました。直線に向くと狭いスペースにも怯むことなく、ジワジワと脚を使ってミルテンベルクとの追い比べは制しました。キャリア2戦目の重賞挑戦でも存在感を示しました。ミルテンベルク(2番人気)はテンションの高さが気になりました。序盤は5番手に取り付きましたが、離れた2番手以降は遅めのペース。瞬発力勝負では分が悪いのか、直線はジリジリとしか脚を使えませんでした。
text by 京増 真臣
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