12月24日(日曜)に中山競馬場で行われた第68回GⅠ有馬記念(芝2500m・3歳以上・定量・晴れ・良馬場)はドウデュース(単勝2番人気)が優勝。管理する栗東・友道康夫調教師は有馬記念初勝利。騎乗した武豊騎手は4勝目となった。ドウデュースは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(株)キーファーズ

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 不利な大外枠に入ったスターズオンアースが抜群のスタートを決め、場内はドッと湧きましたが、大方の予想通りタイトルホルダーが主導権を握りました。まさに精密機械のように道中は12秒0前後のラップを揃え、ケレン味のない逃げ。平均ペースでレースが進行しました。

 

 

 

 

【レース分析】 ドウデュース(2番人気)は今回が秋3戦目。レースを使われる毎に馬体の輪郭がはっきりとして柔軟性もアップ。ジャパンCがピークかと思っていたのですが、さらに上向いていましたね。スタートはゆっくりと出す感じ。武豊騎手はリズムを重視して後方待機策を選択しました。道中は包まれないように外へ出すと、仕掛けのタイミングが絶妙でしたね。長くいい脚を使って追い上げ、直線は3頭による叩き合いに持ち込むと、最後は力で捩じ伏せるように抜け出して快勝。やっぱり武豊さんは凄かった。人馬とも完全復活をアピールしました。

 

 

 

 

 ドウデュースも私も帰ってきました!状態は凄くいいと思ったので、この馬のいいところを出すことだけを考えていました。前半この馬のリズムでゆっくりと行って、ラストの脚はいい脚を持っているので、そこに賭けていました。道中、少し元気が良過ぎたところがありましたが、何とか我慢はできたし、ラスト700mあたりから末脚を生かすだけ生かそうと思いました。4コーナーを回る時の感じが良かったので、何とかなるかなと思いましたよ。ダービーの後は苦しい思いをしましたが、こんなものではないと思ってここまできて、今日の強いメンバーでもドウデュースが一番強いと思って乗りました。素晴らしい馬に恵まれて、ドウデュースという名馬と有馬記念に挑めて幸せです。メリークリスマス!とレース後に武豊騎手はコメント。アクシデントによる怪我で天皇賞(秋)、ジャパンカップでドウデュースに騎乗することが叶わなかった武豊騎手。それだけに喜びひとしお、会心の勝利に。クラシックで鎬で削ったイクイノックスはターフを去りましたが、そのバトンを受け継ぎ、5歳シーズンは主役として競馬界を牽引してほしい。それができるだけのスーパーホースです。

 

 

ドウデュースの4代血統表

 

 

 スターズオンアース(7番人気)は堂々と落ち着きがあって、脚取りは滑らか。馬体が締まり、上積みは十分感じられました。スタートに神経を使い、果敢にポジションを取りにいき、大外枠の不利を相殺したC.ルメール騎手の騎乗は完璧でした。逃げるタイトルホルダーを深追いせずに、離れた2番手を追走。勝ちパターンに見えましたが、直線でいくらか内にモタれてトップスピードに乗れ切れませんでした。最後は勢いの差で、ドウデュースに軍配が上がって②着。とはいえ、立派なレース内容です。タイトルホルダー(6番人気)は落ち着きがあり、そのなかで適度に気合が乗り、脚運びはスムーズ。昨年よりもマークが緩くなったことで、2番手以降が離れて大逃げの形に持ち込めました。全盛期ならそのまま押し切ったと思えますが、持ち味の持久力を生かし切る横山和生騎手の好判断、エスコートが光りました。

 

 

 

 ジャスティンパレス(1番人気)はディープインパクト産駒らしい均整の取れた造りで、身のこなしは柔らかく、状態は文句なし。出負け気味のスタートで最後方を追走。勝負どころでドウデュースと一緒に進出して行ければチャンスもありましたが、コーナリングの巧拙の差が出ましたね。大勢が決したあとではありましたが、いい脚を使って追い込んできました。シャフリヤール(8番人気)は馬体に無駄肉がなく、脚捌きはシャープ。香港除外→白井経由で中山競馬場に入厩と、調整が難しいなかでも、仕上がりは良かったですね。1枠2番という好枠を生かした立ち回りができたし、C.ルメール騎手がもうワンテンポ早く動いていれば、更に肉薄できたかもしれません。タスティエーラ(5番人気)は直線で挟まれる不運がすべて。4番人気ソールオリエンスは内目を捌いて伸びてきましたが、本来の鋭い脚は見られず。距離が長かったのかも。成長が見込める来年は大舞台での巻き返しに期待したいところです。

 

 

text by 京増 真臣

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

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