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第72回 アイルランドT府中牝馬S 回顧

 

 

 10月14日(月曜)に東京競馬場で行われた第72回GⅡアイルランドトロフィー府中牝馬S(芝1800m・3歳以上・牝馬・別定・晴れ・良馬場)は2番人気に支持されたブレイディヴェーグが優勝。管理する美浦・宮田敬介調教師は当レース初勝利。騎乗したC.ルメール騎手は通算3勝目となった。ブレイディヴェーグは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)サンデーレーシング

 

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

 

 

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【展開・ペース】 戦前の予想通りコンクシェルがハナを切り、1000m通過は58秒7。この日の馬場を考えると、やや遅めの平均ペース。瞬発力比べとなりました。

 

 

 

【レース分析】 ブレイディヴェーグ(2番人気)は馬体が増え、ひと回り成長。まずまずの仕上がりに映りました。昨年のエリザベス女王杯以来、長期休養明けの実戦でもあり、大事に乗って後方に待機。道中の折り合いはスムーズ。脚がたまっていましたね。レースの上がりを1秒3も上回る末脚を駆使し、豪快に突き抜けたように終わってみれば、力が違っていた印象。アーモンドアイのような一戦燃焼型な面があるので、使ったあとの反動が心配になりますが、無事にキャリアを重ねていければ名牝に肩を並べられるくらいのポテンシャルを秘めています。

 

 

 

 「(スタートして)1歩目、2歩目は速くない馬。特に今日は休み明けだったので、軽い騎乗をしたかったから後ろでも気にしていませんでした。でも、ブレイディヴェーグは段々と自分のリズムを見つけて3~4コーナーの手応えはちょうど良かったので、大外の道を選びました。最後は乗っていて気持ちが良かったです。残念ながらたくさんレースを使えませんが、凄くいい馬でチェルヴィニアと同じレベルのポテンシャルがあります。休み明けの今日は能力で勝ちましたが、これでコンディションが上がればトップレベルのレースも勝てます」とレース後にC.ルメール騎手はコメント。今回で4度目の騎乗となった名手が年下ではありますが、2冠牝馬を引き合いに出したように性能は突出したものがあり、それを示すような勝ちっぷり。順調にキャリアを重ねていければふたつめ、みっつめのGⅠタイトルを狙える逸材です。

 

 

ブレイディヴェーグの4代血統表

 

 

 シンティレーション(10番人気)はキビキビと活気あふれる周回。気配は良かったですね。ブレイディヴェーグをマークするような形で運び、互角の末脚を使っているあたり地力強化は明らかですね。結果はロードカナロア産駒のワンツー。高速決着が続く今の馬場にマッチしていましたね。マスクトディーヴァ(1番人気)は次を見据えた仕上げでも馬体はできていましたし、状態は悪くありませんでした。脚をためて後方を進み、4コーナーでは勝ち馬とほぼ同じポジション。内に切れ込むように馬群を捌いて③着まで追い上げましたが、外を回った2頭の勢いが上でした。

 

 

 

フィアスプライド(4番人気)は春当時と比べるとやや物足りない気配でしたが、体に太め感がなく、力は出せる態勢。上位3頭の瞬発力に屈しましたが、直線はしっかりと脚を使っていて秋緒戦とすれば上々の滑り出しと見ていいでしょう。ルージュリナージュ(11番人気)はテンションが高いのはいつものこと。仕上がりは良かったです。スタートをどうしても出ませんが、上位2頭と遜色のない脚を使っており、展開ひとつで重賞でもチャンスがありそうです。コンクシェル(7番人気)はテンションが上がらず、脚捌きに柔らかみもありました。マイペースの逃げに持ち込めたものの、相手が揃っていたことに加え、時計も速過ぎたかもしれません。それに、休み明けだった今年緒戦も⑫着に敗れているあたり叩き良化型なのかも。本紙本命としましたが、見立てが甘く、申し訳ありません。

 

 

 

text by 京増 真臣

 

 

  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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