無傷のまま、輝きは増すばかり
2017年7月2日(日)2回福島2日目11R 第66回ラジオNIKKEI賞(GⅢ)は、単勝2番人気に支持されたセダブリランテス(美浦・手塚貴久厩舎、父ディープブリランテ×母シルクユニバーサル)が優勝。昨年12月に中山ダート1800m戦でデビュー勝ちし、初めて芝に起用された5月の早苗賞も勝利。更に重賞も制し、これで無傷の3連勝。デビュー4年目を迎えた鞍上の石川裕紀人騎手にとっても嬉しい重賞初制覇となりました。
レース前、パドックでまず目に付いたのは堂々と力強い歩様で周回していた6番サトノクロニクル。次に気になったのはセダブリランテス。当日の馬体重が524キロでしたが、体重に似合わぬ軽やかでキビキビとした脚取り。12番クリアザトラックは前走比マイナス10キロ。やや馬体がこじんまりとし、時折、うるさい仕草も見せていました。
ここからはレースを振り返ります。
勝ち時計 1分46秒6
前・後半4F 47秒5→47秒1
12.6 – 10.9 – 11.8 – 12.2 – 12.0 – 11.7 – 11.9 – 11.6 – 11.9
スタート後、ウインガナドルが主導権を握り、ニシノアップルパイが掛かり気味に2番手。セダブリランテスは力まず、自然体で先行し、ニシノアップルパイの外へつけます。1コーナーでゴチャつくようなシーンはなく、全体のラップを見ると極端な緩みのない平均ペースでした。
レースが動いたのは残り800m地点。2番手のニシノアップルパイが逃げるウインガナドルとの差を詰めに動いてグッとペースUP。後続も置かれまいと鞍上の手が動きます。勝ったセダブリランテスはそんな中でも手応えは楽なまま。スルスル前へ接近し、直線半ばでは粘るウインガナドルをキッチリ競り落としてゴール。鞍上の指示に素直で好位置を取れるのに加え、道中はムキにならずに運べるセンスの良さが生かされたレースだったと思います。これでデビューから3連勝となりましたが、いずれも1馬身未満の接戦をモノにしているように勝負強さも光ります。今回はやや小粒なメンバー構成でしたから次走以降、本当に真価を問われることになりそう。ただ、兄モンドインテロが立てなかったクラシックの舞台でも上位争いできる資質は備えています。
2着はウインガナドル。瞬発力比べになっては見劣る分、津村騎手が遅くもなく、決して速過ぎないペースで逃げたのが好走の要因でしょう。前走は重馬場の東京で逃げ切っているように馬場やコースを問わずに力を出せるタイプ。
差しタイプで唯一馬券に絡んだのが3着ロードリベラル。3コーナー過ぎに外へ持ち出し、直線入り口では4番手を進むクリアザトラックの外まで進出。さらにもうひと脚使って上位2頭に迫りました。掛かり気味だった前走の東京戦と違い、今回は後方でしっかりと折り合えたことでラスト3Fの爆発力が引き出されました。しかも、決して前が止まったわけではありませんからこれは価値ある3着。
1番人気サトノクロニクルは6着。直線でジワジワ加速するタイプで実際、今回も最後まで脚は上がっておらず、止まっているわけではありません。タイプ的にもっと直線が長いコースが合っていますし、いつもほど伸びなかったあたりトップハンデ57キロの影響があったのかもしれません。ニシノアップルパイは序盤にかなり行きたがってスタミナを消耗したのが響き12着。今後も前半、いかにリズム良く運べるかが課題になりそうです。
text by 藤原
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。