2017年8月27日(日)2回札幌4日11R 第12回 キーンランドカップ(G3)は単勝12番人気の9歳馬エポワスが勝つ波乱の決着。このレースは2015年9着、2016年6着に続く3度目の挑戦。見事に重賞初制覇を成し遂げました。管理する藤沢和雄調教師は今年重賞4勝目で、鞍上はすべてC.ルメール騎手。それではレースラップです。

1:09.0(12.0 – 10.5 – 11.0 – 11.6 – 11.7 – 12.2)

 1分9秒0は、過去10年(2013年の函館開催を除く)のキーンランドカップで、2014年と同じ最も遅い決着。例年より時計がかかるレースだったことが分かります。ただし、レースラップ図を見てもらうと分かるように、前半3ハロンは過去10年(2013年の函館開催を除く)平均より速く、後半のラップの落ちが顕著。上がりも時計もかかるレース。勝ったエポワスはもともと洋芝巧者。後方からレースを進めて、直線は前がガラリと空く絶好の展開。うまく嵌まりました。このレースは函館SS4着以内の馬が活躍する傾向があります。この馬は3着でしたから十分拾えるはずだったんですが、直前のUHB賞7着が人気を落とす要因となりました。自分も含めて反省。プラス20㎏の馬体は現地にいる人間によると太くはなかったとのこと。デキも良かったんでしょう。

 2、3着には先行したソルヴェイグナックビーナスが入りました。この馬場で前半3ハロン33秒5は速いと思います。ソルヴェイグは外枠から楽に先行。いいスピードがありますね。直線は荒れた内を嫌って外へ。最後は切れる馬に内からやられましたが、ペース、休み明けだったことを考えると次走が楽しみになる内容。ナックビーナスは果敢にハナへ。終始ラチ沿いを通って、最後までバテずに粘り込みました。もともとオーシャンS2着ですから、これぐらい走れる力はありましたが、高松宮記念以来となる5カ月ぶりの実戦。こちらも次走が楽しみです。

 本紙本命のフミノムーンは大外から追い上げて4着。待機策で最初から外を回すつもりだったんでしょうが、ルメール騎手とは立ち回りの差が出てしまいました。展開に影響されるのは脚質的に仕方ありませんが、ちょっと勿体なかったかなぁ~と。結果論ですが……。1番人気のモンドキャンノは6着。直線は手応えほど伸び切れませんでしたが、ハイペースを経験するのは函館2歳S(1分9秒3で2着)以来でした。時計はほぼ同じ。成長力という点ではどうなんでしょうか。ただ、休み明けで3歳という年齢を考えると、まだまだこれからに期待しましょう。シュウジは3番手からでした。勝負どころで手が動きながら反応が悪かったですし、結局はしんがり負け。暗中模索が続きます。

text by 小林

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。