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第66回 阪神大賞典 回顧

3:03.6(12.8 – 11.4 – 11.7 – 11.8 – 12.4 – 12.3 – 12.6 – 13.3 – 12.8 – 12.3 – 12.0 – 11.8 – 11.9 – 12.0 – 12.5)

 テン3ハロン35秒9は、過去10年で2015年に次いで2番目に速い数字。1000m通過1分0秒1は過去10年で最も速く、後半の仕掛けが早かったこともあり、ラスト3ハロンの落ち込みにシビアな流れだったことが窺えます。レコードとコンマ1秒差だった昨年の3分2秒6には及びませんでしたが、3分3秒6も過去10年で2番目に速く、レースレベルは高かったといえるでしょう。展開的には前で運んだ組は厳しかったです。

 勝ったレインボーラインはプラス10㎏でしたが、仕上がりは良かったです。道中はタテ長の後方でレースを進めて、2周目3角過ぎからジワジワと外を上がっていった時も決して無理はしておらず、手応えは十分。力強く抜け出して完勝。瞬発力勝負よりも地力を問われる形の方が合っていますね。展開も向きました。

レインボーラインの血統表

 

 2着には手前味噌になりますが、当日版のデータ室で推した4番人気サトノクロニクルが入りました。こちらも有馬記念以来でしたが、好仕上がり。道中は中団でレースを進めて、勝負どころで勝ち馬に外から来られたところで一緒に上がっていきました。直線半ばでレインボーラインが内側に斜行、その影響を受ける形に。一旦は完全に引き離されましたが、ラストは盛り返す感じでフィニッシュ。距離には完全にメドが立ちました。

 単勝1.9倍と断然の1番人気だったクリンチャーは3着。序盤はポジションが定まらず、行きたがっていました。これが全体ペースが速くなった要因のひとつ。「1周目に掛かってしまった。3~4角のあたりでは馬が勘違いしていたし、ゴール板を過ぎたら競馬が終わったと思ったみたい。2週目の3角では手応えもまったくなかった」とは武豊騎手。それでも3着に踏ん張りましたし、展開を考えると一番強い競馬だったといえるでしょう。

 アルバートはレインボーラインと同じような位置取り。勝負どころでもついて行きましたが、直線で引き離される格好。生粋のステイヤーだけに今回のような流れは忙しかったかもしれません。道中で脚を殺がれて、最後にスパートする力はなかったようです。ムイトオブリガードはこの速いペースを先行して、3角から早めに仕掛ける形。さすがに厳しかったです。ただ、500万を勝ち上がったばかり。最後は止まりましたが、かなりのポテンシャルを秘めているといえるでしょう。

text by 小林 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。