競馬 研究ニュース

第66回日経賞 回顧

上げ潮に乗り、いざ盾の舞台へ

 

 2018年3月24日(土)3回中山1日目11R第66回日経賞(GⅡ)は単勝3番人気に支持されたガンコ(父ナカヤマフェスタ×母シングアップロック)が優勝。2歳時以来の芝起用となった江坂特別を勝つとその3戦後に別定GⅡを制覇。藤岡佑介騎手とのコンビでは3戦負けなし。生産者は新ひだかの前谷武志さん。ナカヤマフェスタ産駒はこれがJRA重賞初制覇でした。馬主は杉澤光雄さん。管理する松元茂樹調教師は09年のアルナスライン以来となる日経賞2勝目。この勝利でガンコは天皇賞・春の優先出走権を獲得しました。

 

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

勝ち時計 2.33.9(晴・良)

前半4.5F → 中盤4F → 後半4F 7.1+49.0 → 49.4 → 48.4 (Sペース)

7.1 – 12.1 – 11.8 – 12.4 – 12.7 – 13.3 – 12.2 – 11.9 – 12.0 – 12.4 – 11.9 – 11.6 – 12.5

【展開・ペース】

 スタート直後、ロードヴァンドールが先頭に立ったが、1周目の4コーナーで外からガンコがハナを奪取。隊列が決まり、1~2コーナーでガンコがラップを緩めたところで今度は後方からスーッとポジションを上げてきたキセキガンコを交わして先頭。序盤から動きのあるレースに。向正面に入ってからは極端にラップは緩まず、表記はスローでもスタミナを要求される展開となった。

 

直線半ばで先頭に立ったガンコが渋太く伸びて押し切った!

 

【レース分析】

 ガンコロードヴァンドールを交わしてハナを切り、道中でキセキが進出してくると、慌てずにスッと控えて緩急自在のレース運び。直線に向いてキセキを内から捉えて抜き去ると、力強く押し切ったようにここにきての地力強化は顕著。前走の松籟S(1600万)は相手関係や展開に恵まれた印象があったので予想では無印にしてしまったのは痛恨。勉強不足でした。

「序盤の入りが速くなかった分、お釣りがありました。キセキがハナに立った時もペースを落とすようなら、付いていこうと思いましたが、オーバーペース気味だったのでうまくコントロールしました。最後も伸びてくれたし、余力がありました。距離の心配はないので天皇賞でも頑張ってくれると思います」と藤岡佑介騎手。準オープンを勝ったばかりの身で強豪を撃破して重賞制覇。名前はガンコ(頑固)でも脚質は柔軟性に富み、レースセンスも抜群。器用さは淀の3200mでも大きな武器となる。

 

ガンコの4代血統表

 

 ②着も前走で準オープンを勝ったばかりだったチェスナットコート。4歳を迎えてメキメキと力をつけている。キセキが動いたことによってペースが上がり、後方待機組にチャンスが生まれたが、最後はサクラアンプルールとの追い比べを制したあたりは立派。過去10年を振り返っても前走準オープン組は③着すらなく劣勢の傾向。それが今年はワンツーフィニッシュ。伏兵の勢いが重賞ウィナーたちを圧倒した。

 

金星を挙げたガンコ Photo by yu~kun

 

 本命を打ったサクラアンプルールは距離を意識して末脚勝負に徹したものの、最後は脚色が鈍って③着。本質的に2500mは長いようにも感じられた。トーセンバジルは4カ月ぶりの出走だった昨年の新潟記念でも⑦着に敗れ、続く京都大賞典で②着と変身したように叩かれて良くなるタイプという印象。キセキは途中でハナを叩いたものの、昨年暮れの香港ヴァーズ以来の実戦だった影響か直線で息切れ。ペースを考えれば、馬の気に逆らわず動いた判断は良かったが、叩いての巻き返しに期待したいところ。

text by 京増真臣/構成・藤原

 

本日のおまけ Photo by yu~kun

 

 

  

 ※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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