2回新潟2日目11Rに行われた第18回GⅢアイビスサマーダッシュは1番人気に支持されたダイメイプリンセスが馬群を縫うように伸びて優勝。管理する森田直行調教師は開業5年目にして嬉しいJRA重賞初制覇。しかも、②着にラブカンプーが入り、管理馬によるワンツーフィニッシュ。ダイメイプリンセスは北海道日高町の横井哲さんの生産馬。馬主は宮本孝一さん。

それでは京増TMにレースを振り返ってもらいましょう。

 

 

【展開・ペース】

 真ん中からラブカンプー、外からレッドラウダらが飛び出し、前半2ハロン通過は21秒8。良馬場で施行された過去5年の平均値が22秒0。速いペースで推移し、結果はレコードにコンマ1秒差に迫る好タイムがマークされた。

 

 

【レース分析】

 勝ったダイメイプリンセスは昨年も夏場に好成績を収めていた。当日は馬体の張り、毛ヅヤとも上々。ひと際気配の良さが目立っており“夏は牝馬”の格言がフッと脳裏に浮かんだ。

 ゲートが開くと、秋山騎手は急かすことなく、流れに乗せて前を射程圏に見ながら運べるポジションを確保。追走している際は痺れるほどの素晴らしい手応え。自身の前を走っている4頭は横並びの態勢。残り2ハロン付近に差しかかった時、秋山騎手が2~3頭分、内へ進路を取って誘導。そこから4枠2頭の間を割り、スパッと抜け出して快勝した。直線競馬はこれで3戦3勝。今回はレコードに0秒1差と時計も速く、直線1000mの適性は重賞のメンバーに入ってもズバ抜けていた。

秋山騎手のコメント 「直線競馬の適性が高いですし、いい馬に乗せていただいて感謝しています。手応え良く運べたので、あとは抜け出すタイミングだけだと思っていました。進路が開いてからの反応も良かったです。1200mだと前走もそうでしたが、期待したほど動けなかったので、これから克服できればと思います」

 

ダイメイプリンセスの4代血統表

 

 ②着ラブカンプーは馬体重が420キロ台と華奢な牝馬。出演していたラジオNIKKEIのパドック解説では評価を下げてしまったが、軽い斤量の3歳牝馬は直線競馬でやはり走る。斤量1キロで0秒2違うと一般に言われるが、時計勝負になったことでより最軽量となる51キロが生きた印象。

 ③着ナインテイルズは春の新潟で直線競馬の適性を示していたし、当日は体調も良さそうだった。伏兵が多く、本紙予想では印が回らなかっただけで、外目の枠を引き、展開も噛み合えば、これぐらいは走れて不思議ない。

 ◎を打ったカラクレナイは、新潟競馬場名物の強風がスタート地点の方向へ吹き荒れて時計がかかるようならチャンスも膨らむが、今年は過去5年で最も速いタイムで決着。後方を進んではさすがに届かない。それに直線競馬の内枠も響いた。ただ、パドックでは活気溢れる周回で雰囲気は上々。もし、北九州記念あたりを使うなら、もう1度狙ってみたい。

 

text by 京増真臣/構成・藤原

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

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ゴール寸前でフィドゥーシアを差し切ったラインミーティア(2017年アイビスSD)

  西田雄一郎騎手とのコンビで2017年GⅢアイビスサマーダッシュを制し、同年のサマースプリントチャンピオンに輝いたラインミーティア(牡8・美浦・水野貴広厩舎)。前走後、蹄葉炎により経過観察中でしたが、8月2日に容態が急変したため安楽死の処置がとられました。通算成績は42戦5勝。ご冥福をお祈りいたします。(編集部一同)