4回東京1日目11Rに行われた第4回GⅢサウジアラビアロイヤルカップは単勝1.3倍の圧倒的な1番人気に支持された牝馬のグランアレグリアが後続に3馬身半の差をつけて快勝。騎乗したC.ルメール騎手は今年のJRA重賞13勝目。管理する藤沢和雄調教師は9月のGⅡオールカマーに続いて今年のJRA重賞5勝目となりました。グランアレグリアは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲サンデーレーシング。通算成績は2戦2勝。

それではレースを振り返りましょう。

 

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【展開・ペース】

 外枠からトーラスジェミニがハナに立ち、注目のグランアレグリアはスタートで出遅れましたが、鞍上が軽く促すと掛かり気味に2番手へ。1000m通過は59秒9とユッタリした流れでしたが、そこから11秒3→11秒1とラップが速くなって瞬発力比べ。ラスト1ハロンが11秒7ですが、勝ち馬が抜け出した後だけに、特に落ち込んだというわけでもありません。

 

パドックを周回するグランアレグリア(撮影:yu~kun)

 

【レース分析】

 グランアレグリアはデビュー戦から18キロ増の体重でも重目感はなく、夏を越して逞しくなった印象。レースでも出遅れを挽回した際に少し行きたがる面を見せていましたが、2番手のポジションに収まると折り合いはスムーズ。直線の坂下で馬なりのまま先頭に立つと、鞍上が数回、ムチを入れただけで後続を引き離す完勝でした。

「力がある馬なので外に出したところで少しハミを噛みましたが、折り合い自体は大丈夫で、2番手に上がった時にはリラックスして、息が入りました。直線でも速い脚を使ってくれましたね。体が増えてパワーアップしていましたが、これからまだまだ良くなる馬ですよ」C.ルメール騎手はレース後にコメント。衝撃的だったデビュー戦よりも勝ちタイムは0秒4遅くなりましたが、ダートが重、芝は稍重からスタートした当日の馬場状態やレースの流れを考えれば、同じレベルか、それ以上の評価をするべきでしょう。今後のプランは未定のようですが、暮れや来年のGⅠでも主役級の馬であることは間違いありません。

 

グランアレグリアの4代血統表

 

 ドゴール(7番人気)も勝ち馬と同様にスタートで出遅れましたが、こちらは後方でジックリと構えて折り合いに専念。勝ち馬を凌ぐ最速の上がりを記録して、接戦となった②着争いから馬群を割って抜け出してきました。デビュー戦は新潟の芝1400メートルでも重馬場で、最内から伸びてきたので馬格の割にパワーがあるタイプの印象でしたが、今回は良発表に回復した馬場で切れる脚を使えた点が大きな収穫。重賞②着は額面通りに評価できます。

 

 

 ③着アマーティ(4番人気)は勝ち馬をマークするような形から初戦ほどは伸びませんでしたが、上手にレースを運べて内容的には合格点。もう少し脚をタメれば鋭さを増しそうな印象も受けました。④着ドラウブニル(3番人気)は馬群の中で運ぶのが初めてだったせいか、道中は頭を少し上げるような場面も。直線もジリジリと伸びる感じでしたが、今回の経験は今後につながるでしょう。⑤着シャドウエンペラー(2番人気)は評判通りの好馬体が目につき、フットワークも大きくて将来性は十分。現段階ではスローからの瞬発力勝負に対応し切れず、完成度の差が出たようですが、いずれは頭角を現してきそうな気がします。

text by 五十嵐

 

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