10月5日に東京競馬場で行われた第5回GⅢサウジアラビアロイヤルカップ(芝1600m・2歳・馬齢)は単勝オッズ1.5倍と断然の支持を集めたサリオスが叩き合いを制して優勝。1分32秒7という勝ちタイムは東京芝1600mの2歳コースレコード。石橋脩騎手とは初コンビ(デビュー戦はD.レーン騎手騎乗)だったが、普段の調教でコンタクトを重ねており、2連勝に導いた。管理するのは美浦・堀宜行調教師。サリオスは北海道安平町・ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。

 

それではレースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタート後、鞍上が促し、シコウが先手を奪おうとするが、これを外から交わしてアブソルティスモが主導権を握った。隊列が決まると12秒前後のラップが続き、ペースが緩む。直線に向いてからは脚比べ、鋭さ比べとなった。

 

【レース分析】 パドックに登場したサリオスは2人引きだが、ゆったりとした周回。540キロと発表された馬体は雄大に映る反面、太くは見えなかった。線の細さがある姉のサラキアサロニカとはまったく違うタイプ。レース前に発汗し、道中は行きたがるのをなだめながら3番手追走。新馬戦よりも3、4コーナーをスムーズにクリア。ピッチ走法で瞬時に加速したクラヴァシュドールが先に抜け出そうとするが、これに馬体を併せるとキッチリと伸び勝ってゴール。勝ちタイムは2017年のダノンプレミアムがマークした1分33秒0を0秒3上回る2歳コースレコード。上がり勝負だったが、③着が大きく離れたのも納得がいく。

 

サリオスの4代血統表

 

 「力を出せて良かったです。ゲートはうまく出ると思っていたし、内めの枠で、こういう馬場でもあるので、後ろになり過ぎないようにポジションを取りにいこうと思っていました。②着馬もかなりいい脚を使っていますが、それを抑えるんだから力がありますね。こういう馬の騎乗依頼をいただけてありがたいです」石橋脩騎手。サウジアラビアロイヤルCは2017年のダノンプレミアム、昨年のグランアレグリアと2年続けて勝ち馬がのちにGⅠを制している出世レース。サリオスもこれに続けるのか注目が集まる。

 

 

 ②着のクラヴァシュドールは初東上だったが、テンションは上がっておらず、毛ヅヤも上々。体調は良さそうに見えた。レースはサリオスを前に見る位置で上手に折り合って追走。キビキビとした走りで、直線に向いて仕掛けられると瞬く間に先頭を捉えんと伸びた瞬発力が目を引いた。結果的にあとから脚を使う形になったサリオスに敗れたが、輸送や初めての左回り、更には高速決着にも対応できた点は収穫大。勝ち馬と同じくハーツクライの産駒。成長力も備えていそうで、こちらも来年のクラシックまで目が離せない存在に。

 ③着は逃げたアブソルティスモ。直線に向いて外で①②着馬が併せ馬になったのに対し、内ラチ沿いを1頭で走る形。自身も決して伸びていないわけではないが、馬体が離れたのは少し痛かったか。今回は完敗の形だが、レイデオロレイエンダの弟。今日に関しては鋭さ比べで見劣った形だが、まだまだ気性は幼く、成長の余地を残す。

 

 

                                 text by 藤原 有貴

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 
 

 
 
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