2018年11月24日(土) 5回京都7日

 14年に重賞に昇格して5回目を迎える京都2歳S。これまで新馬勝ちから2頭、500万連対から2頭の優勝馬が出ていますが、今年は札幌2歳S3着から臨んだクラージュゲリエが優勝しました。札幌2歳Sからは先週の東京スポーツ杯2歳Sを制したニシノデイジーも出ており、この世代の一つの目安となるレースと言えるでしょう。管理する池江泰寿調教師、鞍上のモレイラ騎手は共に今年JRA重賞4勝目。馬主は(有)キャロットファーム。生産はノーザンファームです。それではレースラップへ。

 

 ラップを見て分かるように、中盤は緩んで坂の下りからペースアップし、最後は上がり3ハロンの瞬発力勝負になりやすいレース。今年も前半1分2秒3、後半59秒2と前後半の差が3秒1、上がりが34秒4とスローペースからの瞬発力勝負になりました。

 クラージュゲリエのプラス14㎏はほぼ成長分。パドックでは地味な印象に映るぐらい落ち着いていました。レースは後方で脚をタメる競馬。3~4角でジワジワと進出する時に外を回りすぎることもなく、うまく捌いて、このあたりは鞍上の腕もあるでしょうが、前走からの成長が窺えました。直線は外のブレイキングドーンとの叩き合いを制してゴール。上がり33秒8はメンバー最速。札幌2歳Sはパワーが必要な馬場で緩みのない流れ、今日がスローペースからの瞬発力勝負。タイプの違うレースでそれぞれ好走した点に奥の深さを感じますが、現状では切れ味を生かす競馬が向いていそうです。

 ブレイキングドーンは萩Sで放馬して除外。今回はそれ以来のレースでしたが、プラス18㎏と少し余裕残しの仕上げ。レースは中団から。4コーナーでの反応がひと息で、そこでできたスペースを勝ち馬に突かれました。それでも、最後は勝ち馬と併せ馬の格好で伸びてきて、後続には3馬身半差。次走は更に走れるはず。距離はもっと延びてもいいタイプでしょう。

 ワールドプレミアは勝ち馬の直後にいましたが、勝負どころで一気に引き離されてしまいました。全兄ワールドエースと同様、瞬時に反応できるタイプではないので、上がり3ハロンだけの競馬は不向きかと。パドックでのテンションも高く、能力はありますが、少し乗り難しいタイプですね。ミッキーブラックはスタートがひと息でしたが、促して前へ。そのためか、前半は少し力んでいました。残り3ハロンから積極的に動いていって早めに前に並びかけましたが、4着が精一杯。

text by 小林  

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。