12月14日に中山競馬場で行われた第5回GⅢターコイズS(芝1600m・3歳以上・牝馬・ハンデ)はコントラチェック(単勝3番人気)が優勝。外枠からハナを奪うと、そのまま後続を完封。GⅢフラワーCに続き、得意とする中山コースで重賞2勝目を挙げた。鞍上はC.ルメール騎手。管理するのは美浦・藤沢和雄調教師。コントラチェックは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は㈲キャロットファーム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 もう1頭の先手候補と目されたトロワゼトワルが大外枠に入ったこともあり、コントラチェックが無理なく主導権を握る形に。前半の3ハロンは33秒9と速めでしたが、5~6ハロン目が12秒に近い数字で息が入り、ラストから2ハロン目が11秒1と再び加速。ここで勝負が決したと言っていいでしょう。

 

 

【レース分析】 コントラチェックは前走のGⅠ秋華賞が関西圏へ初遠征だったうえに、当時⑤着のビーチサンバに先手を奪われる展開。それが今回は一転して自分の形に持ち込み、能力、スピードをフルに発揮できました。騎乗したC.ルメール騎手はレース後に「パドックから馬が綺麗で、今日は凄くいい感じでした。返し馬もリラックスできていたので、レース前から自信がありました。スタートからスピードを使っていたけど、道中はマイペースで走れて息が入っていましたし、最後はもう1度伸びてくれたように能力があります」とコメント。これで逃げた時は4戦全勝、控える形だと②着が最高ですから今後も展開、同型との兼ね合いが鍵になりますが、主導権を握るパターンでは底を見せていませんし、来年以降も牝馬路線の主役候補の1頭と考えていいでしょう。

 

コントラチェックの4代血統表

 

 ②着のエスポワール(2番人気)は気性的に初めてのマイルが気になるタイプではなくても、高速馬場への対応が鍵になると見ていましたが、上手な立ち回りで課題をクリアして連対を確保。この馬は左回りの中京で勝ち鞍もありますから、キャリアなどを考慮すると来年のVマイルが大いに楽しみになりました。③着シゲルピンクダイヤ(1番人気)は小回りコースを意識したレース運びで追い上げに脚を使い、そこから伸び切れませんでしたが、馬券圏内には粘り込みました。何とかGⅠ桜花賞②着、GⅠ秋華賞③着馬が面目を保ちましたが、やはり広いコースで決め手、瞬発力を生かす形が理想でしょう

 

パドックを歩くコントラチェック(撮影:yu~kun)

 

 少し惜しいレースになってしまったのが④着のフィリアプーラ(12番人気)で、今の中山の芝コースで一旦、後ろの位置に下げて、道中は内で脚をためる作戦は正解でしたが、直線で少し窮屈になるシーンがあり、スムーズなら③着は確実と思えるような内容でした。現状はマイルがベストですし、舞台が東京に替わっても、脚の使い方ひとつで浮上して驚けません。自分◎に推したオールフォーラヴ(8番人気)は⑬着と残念な結果に。外めの枠でスタート直後に他馬と接触するロスもありましたが、中山コースは合うと判断したことも裏目に。この舞台が初めての馬は適性を掴むのが難しい印象も残りました。ただ、時計勝負のマイルが合うことは確かですから、4番人気で大外枠からしんがり負けだったトロワゼトワルと同様、適条件で一変のケースは考えておきたいですね。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

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