2020年3月29日(日) 1回中京8日

 1番人気はタワーオブロンドンで3.8倍。2番人気グランアレグリア、3番人気ダノンスマッシュが4.1倍で続いた。4番人気がダイアトニックで9.2倍、5番人気モズアスコットが9.8倍と、ここまでが10倍を切るオッズ。レースは予想通りモズスーパーフレアがハナを切り、前半34.2─後半34.5のイーブンペース。ラップ的にはエアロヴェロシティが勝った2015年(34.0─34.5)に近い。後ろから追い込むには難しいラップ。馬場も外伸びの傾向にあったのが、メインレースの頃には乾いてきたのか内もそこまで悪くなかった様子。

 1位入線したクリノガウディーが4着降着という後味の悪さはあるが、モズスーパーフレアが2番人気⑮着に終わった昨年の雪辱を果たした。勝因はデキと展開。昨年は年明けに2走して中2週で本番へ。今年はシルクロードSから中7週で本番という余裕のあるローテーション。同じ外枠でも昨年はハナに立つまでに苦労したのに対して、今年は楽に先手を奪えた。デキの良さがそのままテンのダッシュ力につながった感じ。また、2番手セイウンコウセイ以下が控えたことで終始自分のリズムで運べた。こうなると少々のキツいペースでも簡単にはバテない。思い切った積極策で勝利を手繰り寄せた松若騎手はこれがG1初制覇。自厩舎の馬での勝利に喜びも一入だろう。

 グランアレグリアはスタートがひと息で後方から。初めて経験する1200mで無理をしなかった側面もある。直線は外から凄い脚で伸びてきて、上がり33秒1はメンバー最速タイ。展開や馬場を考えると強い競馬をしている。キッチリと仕上がっていたようにプラス12㎏は成長分と考えていいだろう。

 ダイアトニックはセイウンコウセイを見ながら最内を進む形。初めての1200mでも無理なく流れに乗れていた。直線はそれまで最も馬場がいいと思われていた箇所を通ったセイウンコウセイの内から伸びてきたが、ゴール前で大きな不利。その後に食い下がった走り、着差を考えると非常に惜しい③着。

 大魚を逃したのはクリノガウディー。重賞どころかG1初制覇目前だったが、無念の④着降着。パトロールを見ると内へ内へモタれて仕方なかった様子。和田騎手も懸命に真っ直ぐ走らせようとしていたが、制御し切れなかった。ただ、そこまでは人馬とも完璧。終始、一番いいポジションで競馬をしていた。

 3強の一角ダノンスマッシュは10着。オーシャンSでも出遅れたが、今回もスタートで躓く不利。ただ、前回ほどポジションを取れず、中団からのレース。直線も思ったような伸びが見られなかった。この馬には馬場が悪過ぎたか。1番人気に支持されたタワーオブロンドンは12着。道中は中団の外めで掛かるぐらいの行きっぷり。スムーズに直線で外に出て、さぁこれから、といったところでサッパリ伸びず。ちょっとよく分からない大敗。ただ、前傾ラップになりやすい高松宮記念で、今年の2番手、3番手以降はスローの瞬発力勝負に近い形。前記2頭の得意な競馬とは言えなかったのも敗因の一つではないか?

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。