2020年4月19日 2回阪神8日目
注目は初の重賞挑戦ながら3連勝の内容が良く、1番人気に推されたベストタッチダウンが実績馬の揃ったここでどんなレースをするかであったが、結果は⑭着と大敗。勝ったのは一昨年のチャンピオンズC②着馬ウェスタールンド。昨年の勝ち馬アナザートゥルースが②着。クリンチャーが③着と馬券圏内は実績馬が独占した。
ウェスタールンドは後方から2頭目でマイペースの追走。600m標識で馬群に取りつくと、4角で一気にマクッていった時の脚は他を圧倒していた。直線に向いた時は先頭から約2馬身差。あとは勢いそのままに押し切るだけだった。鞍上はチャンピオンズC②着時以来の騎乗だった藤岡佑介騎手。当時はラチ沿いを一気に押し上げたが、内外の違いだけで乗り方としてはほぼ同じ。この馬の長所を存分に生かし、8歳にしての重賞初制覇に貢献した。
アナザートゥルースは好位から終始4頭分外を通るロスはあったが、楽な手応えで上がってくるところは昨年と同様。先に抜け出したリワードアンヴァル、外から並んできたクリンチャーとの際どい2着争いに競り勝った。近走は2000m以上に使われながらも1800mの流れに乗り、初の58キロも克服と対応力の高さを示した。
クリンチャーは今回がダート3戦目。ここ2走より相手は強化されたが、アナザートゥルースをマークする形からハナ差まで詰め寄り、強豪相手でも通用の手応えを掴んだ。「勝ち馬は強かったですし、直線で相手が外から来たら少し気にしていました」と石橋脩騎手。展開ひとつで更にやれそう。
リワードアンヴァルは最後は掴まったが、前々走では歯が立たなかったベストタッチダウンを早々に交わして一旦は先頭と見せ場十分の好内容。これからの成長が楽しみ。
コマビショウは勝負どころで動けない位置に入ったが、直線で進路が開くとしっかり脚を伸ばして掲示板確保。この走りなら、オープン特別あたりだと勝ち負けできそう。
アングライフェン、ロードゴラッソは4角の位置取りこそまずまずだったが、最後の伸びを欠いた。両馬とも1800mの時計勝負では分が悪かったか。ベストタッチダウンはスタートで躓き、ハナに立てず2番手から。4角でリワードアンヴァルに馬なりで並ばれた時には手応え劣勢で、そのまま抵抗できずに失速。「ゲート、それにゴールへ入ってからの躓き方から、この馬本来の姿ではなかったです。また改めてですね」と川田騎手がコメントしているように、力を出し切っていないのは確か。次走での巻き返しを期待したい。
text by 石井大
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