7月18日に函館競馬場で行われた第52回GⅢ函館2歳S(芝1200m・2歳・定量・曇り・良馬場)はリンゴアメ(単勝10番人気)がゴール寸前で差し切って優勝。鞍上は地元・函館出身の丹内祐次騎手。管理するのは美浦・菊川正達調教師リンゴアメは北海道新冠町・ビッグレッドファームの生産馬。馬主は㈲ビッグレッドファーム。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 翌日の3歳以上1勝クラス、2勝クラスの芝1200m戦がともに前半3ハロン33秒7ですから、好スタートを決めて主導権を握ったフォドラが作ったペースは2歳GⅢとしても速め。ただ、こうなると後続も追走は決して楽ではなく、後方待機から勝ち負けに加わったのは③着だったラヴケリーだけ。スピードの持続力が求められるような展開となりました。

 

 

まだまだ幼く、伸びしろは十分

【レース分析】 リンゴアメ(10番人気)はスタートを決めて好位をキープ。若さを覗かせたデビュー戦と同様、今回も4コーナーあたりでは挙動がスムーズではありませんでした。しかし、直線では最後まで脚を伸ばして、ゴール前で前を捉えました。

「放牧先から戻ってきた時は少しうるさかったんですが、右にモタれる面はマシになっていました。ゲートでも、道中でもフラフラしていたように、まだ子供っぽいですが、直線はいい脚を使ってくれました。デビュー前からいいモノは感じていましたが、まさかここまでのパフォーマンスを見せてくれるとは思いませんでした」とレース後に丹内騎手はコメント。初戦勝ちが1000mだったことから人気の盲点になっていましたが、小柄な牝馬が体重8キロ増ですから、状態も上がっていたと考えられます。今後は時計勝負への対応など、課題も少なくありませんが、まだ若さも見られましたから、今後の成長が楽しみです。

 

リンゴアメの4代血統表

 

脚を見せたラヴケリーに今後も注目

 ②着ルーチェドーロ(4番人気)はダートでデビュー勝ち。ただ、重心の低いフォームで、時計のかかる洋芝なら対応は可能と見て個人予想で◎にしていたところ、本紙も攻めの予想で中心視。2番手追走から中盤以降は追い通しでしたが、渋太い走りで連対を確保。こちらも今後が楽しみになるレースぶりでした。そして先に向けて、最も注目したいのは3番人気で③着だったラヴケリー。逃げ切った初戦とは一転して、後手に回る形でも直線は強烈な伸び。まだ極端なレースしかしていませんが、少なくとも追って味があることは確認できました。流れに乗って運んだ際に、どんな走りを見せるのか、期待が膨らみます。

 一方、断然人気に支持されたモンファボリは4コーナー2番手併走から失速して、まさかの⑬着。序盤に行きたがるような面は見られましたが、それにしても粘りが今ひとつ。ただ、初戦の時計、勝ちっぷりから非凡なスピードを備えていることは間違いなく、軽い芝での走りを見てから、将来性については判断しても遅くないでしょう。

 

 

                                 text by 五十嵐 友二

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走距離・条件・・・①着馬は前走が芝1000m、②着馬はダート1000m。例年であれば苦戦を強いられる組がワンツーを決めた。来年以降、前走の距離や条件で狙い馬を絞るのは避けた方が良さそうだ。

〇所属・・・終わってみれば関東馬が①②着。2頭は前走で0秒3、1秒1差をつけて優勝。前走を完勝した関東馬はやはり買い。

〇出走間隔・・・連闘で臨んだカイザーノヴァ、リキサントライは⑤⑨着。勝ち馬と③着馬は中4週、②着馬は中2週で出走し、結果を残した。

〇前走馬体重・・・410キロ未満だったフォドラは善戦したものの④着止まり。ただ、勝ったリンゴアメの前走体重は412キロ。あまり馬体重だけで厳しく狙い馬を絞り込むと当たりから遠ざかる可能性も。こちらはあくまで参考としたい。

 

 


 
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