11月29日に東京競馬場で行われた第40回GⅠジャパンカップ(芝2400m・3歳以上・定量・曇り・良馬場)はアーモンドアイ(単勝1番人気)が優勝。2018年にも勝っており、同レース2勝目。またこれが芝GⅠ9勝目(海外含む)となり、歴代の総獲得賞金でも1位のキタサンブラックを抜き、トップに。記憶に残るラストランは様々な記録を更新する一戦となった。鞍上のC.ルメール騎手は2009年ウオッカで当レースを制しており、通算3勝目。管理する美浦・国枝栄調教師は当レース2勝目。アーモンドアイは北海道安平町ノーザンファームの生産馬。馬主は(有)シルクレーシング。
それでは、レースを振り返っていきましょう。
【展開・ペース】 今、振り返っても本当に素晴らしいレースでした。価値を押し上げたのはキセキですね。スタートを決めると、1コーナーに入るところで外から迫ってくるヨシオを振り切ってグングンとリードを広げていきます。同じく自身がペースメイクし、2分20秒6のレコード決着となった2018年の前半1000m通過タイムが59秒9。今年はこれよりも2秒速い同57秒9ですから、さすがに直線半ばで後続に捕まりましたが、肉を切らせて骨を断ついい逃げを打ちました。
全てを超える唯一無二の存在
【レース分析】 アーモンドアイは優勝した前走のGⅠ天皇賞・秋と同じぐらいのデキに映りました。これはいい意味で平行線。一流馬が必ずしも絶好調である必要はありません。キセキは速いペースで飛ばしたわけですが、2番手以降は平均〜やや遅めの流れ。非常にスタートが良く、苦労せずに4、5番手のいいポジションをキープできました。直線に向いたところでは同じ勝負服のグローリーヴェイズの後ろ。川田騎手、そしてC.ルメール騎手が通って
「凄く嬉しいです。いつもこの馬に乗る時は特別な思いですが、今日は最後なのでよりその思いが強かったですし、自信もありました。返し馬やスタート前なんかはいつものアーモンドアイでしたよ。プロフェッショナルですね。素晴らしい脚を使ってくれましたし、日本で一番強い馬だと思います。彼女に感謝したいです。ファンのみなさん、応援してくれてありがとうございました。そしてこれから生まれるアーモンドアイの仔も応援して下さい」とC.ルメール騎手。獲得したGⅠタイトルはこれで9つ目。平成にデビューし、元号を跨いで数々の記録を作り、記憶に刻まれる走りを見せたスーパーホース。現役生活は終わりましたが、その遺伝子は産駒へ。彼女を巡る物語の第2章がまもなくスタートします。
菊花賞後でも力示したコントレイル
コントレイルは無駄肉のないシャープな体つき。多少、硬さはあるものの、脚取り自体は軽や
デアリングタクトはGⅠ秋華賞のような激しいイレ込みはなく、時折、
text by 京増 真臣
※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。
【データ泣き笑い】
〇前走クラス・・・馬券に絡んだ3頭はいずれも前走がGⅠで①着。当然のことながら好走馬の条件を満たしていた。 〇馬齢・・・今年の①~③着馬は5→3→3歳。6歳以上の馬は7頭出走したが、ミッキースワローの⑦着が最高着順だった。 〇レース間隔・・・前走が同年8月以前のレースだった馬は3頭出走して⑥⑨⑮着といずれも完敗を喫した。 〇三冠馬と天皇賞・秋優勝馬・・・天皇賞・秋優勝馬→三冠牡馬→三冠牝馬の順での入線となった。アーモンドアイだが、天皇賞・秋、ジャパンカップの連覇は2004年のゼンノロブロイ以来となる快挙。またジャパンカップで2勝目を挙げたのはジェンティルドンナ以来、史上2頭目。隔年制覇は史上初。
《ジャパンC 2015~2019》 |