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第6回 ターコイズS 回顧

 

 12月19日に中山競馬場で行われた第6回GⅢターコイズS(芝1600m・3歳以上・牝馬・ハンデ・曇・良馬場)はスマイルカナ(単勝1番人気)が優勝。1月のGⅢフェアリーSと同じ中山マイルで重賞2勝目を挙げた。騎乗した柴田大知騎手、管理する美浦・高橋祥泰調教師ともにターコイズSは初勝利。スマイルカナは北海道新ひだか町・木田牧場さんの生産馬。馬主は岡田繁幸さん。

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

【展開・ペース】 スタート後、トロワゼトワルが仕掛けてハナを奪取。しかし、クリスティが掛かり気味にトロワゼトワルに競りかけて前半3ハロン通過タイムは34秒5。時計の出方、馬場を考慮するとハイペースですが、前の2頭が後続を離してレースは進行しました。離れた前を見ながら3番手を進んだのがスマイルカナ。ムキになって逃げ馬を追いかけるようなことはなく折り合いが付き、また無理のないペースで運べました。②着にも好位集団で流れに乗ったアンドラステが入り、結果的に差し・追い込みタイプには辛い展開となりました。

 

▲パドックを歩くスマイルカナ(撮影:yu~kun)段々と馬体には逞しさが増してきた

 

心身の成長を示した一戦

【レース分析】 勝ったスマイルカナはパドックで多少、チャカチャカしていましたが、これは許容範囲内。馬体重は前走からプラス10キロと増えており、トモのあたりがボリュームアップ。逞しさを増して成長を感じさせました。レースは前走と同様に控える形。前走と違ったのは序盤から折り合ってノビノビと走れたこと。しっかり脚が溜まっていましたね。直線に向くと残り1ハロン手前で抜け出し、アンドラステの追い上げをハナ差凌いだところがゴール。これまで重賞レースでは逃げて結果を出してきました。そんなイメージを払拭し、見事、モデルチェンジに成功。こんなレースができれば今後もマイル前後の距離では大崩れしないのではないでしょうか。

「今日は満点があげられるレースです。追い出してからの反応もばっちりでした。使われる毎に馬は元気なくらいですし、頭が下がる思いです。最後は内から②着馬が迫ってきたのでGⅢ京成杯AHでハナ差負けしたことが頭にちらついたのですが、今日はハナ差で勝てて良かったです。これで賞金を加算できましたし、来年が楽しみです」とレース後に柴田大知騎手はコメント。叔父にエイシンヒカリがいる母系の出身。また母は6歳まで活躍を続けました。来年も注目したいですね。

 

スマイルカナの4代血統表

 

力を出し切れたアンドラステ

 ②着に入ったのはアンドラステ。同じ中山マイルが舞台だった前走のGⅢ京成杯オータムハンデは進路が確保できずに不完全燃焼でした。今回は勝ち馬の後ろを進む形。直線に向くとスマイルカナが外へ持ち出し、その内のクリスティとの間に生じたスペースにスッと馬体を入れます。坂を駆け上がってからの伸びは非常に力強かったですね。僅かに差し届きませんでしたが、スムーズに運べれば重賞で勝ち負けできることを証明しました。牝馬限定重賞を2勝。このメンバー構成なら実績上位の存在であるフェアリーポルカが③着。内枠から序盤は馬込みの中でロスを抑えて立ち回り、4コーナーで一気に外へ持ち出しました。このあたりは流石、乗り慣れた和田竜二ジョッキー。中山コースは重賞ばかり3戦して②①③着。結果を残している舞台に替わって一変しました。

 

 

 結果論ではありますが、①~③着は2~4枠と内枠の馬が占め、④着には直線で内を突いたシーズンズギフト。コーナー部分でいかにロスを抑えて運べるかが大事だったレース。個人的に期待したランブリングアレーは⑦着。7枠の分、外を回る距離ロスがあったのに加え、マイルのペースも忙しかったか中盤からは促しながらの追走。ベストの1800mに戻って巻き返しに期待したいですね。

 

                          

text by 藤原 有貴

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・好走馬の前走を見ると、勝ち馬はOP特別②着(芝1400m)、②着馬はGⅢ⑩着、③着馬はGⅡ⑧着。いずれも上記の条件からは外れた馬ばかり。過去の傾向とは異なる馬の好走により、来年は大きく取捨の条件を見直さねばならない。

〇馬齢・・・今年は3→4→4歳で決着。3、4歳が優勢である傾向は今後も続きそう。特に3歳馬は連続連対記録を更新。今後も馬券の軸として期待できる。

 

 

《ターコイズS 2015-19》

 

 


 
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