2021年7月11日(日) 3回小倉4日

 開幕週の先週は芝で驚異的なレコードが連発。今週は金曜日に39.5ミリの雨が降り、ダートは重スタート。土曜日はダートの10R、12Rがコースレコード決着だった。日曜日は稍重スタートと幾分回復したが、10Rが雨の中で行われ、11Rには再び重馬場に。12Rは不良馬場で行われた。当然、プロキオンSも高速決着が予想されたが、結果は1分40秒9でコースレコードを更新。ロンドンタウンが2017年に札幌でマークしたJRAレコードに並んだ。

 結果的には前、内で運んでナンボの競馬で、勝ったのは9番人気のメイショウカズサ。14番人気と12番人気が続いて、3連単は1,944,140円の大波乱。スタートは躓き気味でそれほどだったが、内めの5番手を取れた。内枠と揉まれたくないトップウイナーがすぐに内に入れず真っすぐ走っていたことが大きかった。前走のアンタレスSはテン34秒8─47秒0でハナを競り合う形。それに比べると今回は馬群の中で脚がたまったいた。終いもしっかり脚を使って、終わってみれば後続に2馬身半差をつける完勝。まず、馬込みでの競馬でも力を出せた点は大きな収穫。こういった競馬ができれば大きく崩れることはないのではないか。また、今回で松山騎手とのコンビは(4001)。鞍上が完全に手の内に入れている。管理する安達昭夫調教師、松山弘平騎手ともに、このレースは初めての勝利。

 トップウイナーは外の逃げ馬を行かせて、自分はそのすぐ外の2番手を確保。昨年は阪神1400mで⑤着だったが、今年は陣営が「オープンだと短距離では少し忙しい感じ」と話していたように距離延長で着順を上げた。揉まれなければ重賞でも勝ち負けできる力がある。メイショウウズマサは大外枠から果敢に先行。少し躓いたが、さすがのダッシュ力。ハナを取り切ると渋太い。小回りコース、スピード優先の馬場を最大限に生かして粘り込んだ。

 勝負どころで同じような位置にいたダノンスプレンダーアヴァンティストが④⑤着。直線も2頭でインから伸びているが、前が止まらず掲示板確保まで。枠順と最後のひと伸びを考えると、前者の方が評価が高いが、後者も1400mまでしか実績がなかった中で頑張っている。

 1番人気のサンライズホープは⑥着。人気を裏切ってしまったが、好位でガチンコの競馬をして、日本タイレコードの決着から1秒と負けていない。悲観する内容ではなく、今日のところは古馬重賞初挑戦の洗礼を受けたといったところか。

 ウェスタールンドはプラス18㎏の数字が示す通り、余裕残しの体つき。前半はポツンと最後方を追走。3コーナー手前で内に入れて、コーナーワークで差を詰めようとしたが、バテて下がってきたメイショウワザシが邪魔になるなどして、思ったほどポジションが上がらなかった。直線は外めに出して追い上げを図るが、レース上がり35秒9と前が止まらない流れでは⑦着が精一杯。今日はイン捲り差しという自分の競馬をしながらも、いろいろと不利な条件が重なった感じ。

text by 小林  

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。