2月27日(日曜)に中山競馬場で行われた第96回GⅡ中山記念(芝1800m・4歳以上・別定・晴れ・良馬場)はパンサラッサ(単勝2番人気)が後続を従え、鮮やかに逃げ切って優勝。騎乗した吉田豊騎手、管理する栗東・矢作芳人調教師とも中山記念は初勝利。パンサラッサは北海道新ひだか町木村秀則さんの生産馬。馬主は広尾レース㈱

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 好スタートを決めたパンサラッサがハナを主張。3ハロン毎に見ると35秒2→33秒9→37秒3。1000m通過57秒6というハイペースで飛ばしましたから、3コーナーあたりでは積極的に追いかけたトーラスジェミニワールドリバイバルがバテてしまい、一気にリードが広がって大逃げの形になりました。

 

▲パドックを歩くパンサラッサ(撮影:yu~kun)活気に溢れ、いい仕上がりに映った。

 

今後語り継がれるであろう逃走劇

【レース分析】 パンサラッサ(2番人気)は抜群の気合乗り。馬体にボリューム感もあり、好調時と遜色のない雰囲気に映りました。ハイペースで飛ばしながらも上がり3ハロンを37秒3でまとめて鮮やかな逃げ切り勝ち。1998年の当レースを逃げ切ったサイレンススズカ(当時は前半1000m通過が58秒0)を彷彿とさせるパフォーマンス。持ち味を生かした大逃げを打つ個性派に育ってきましたね。これから更にレースを盛り上げる存在となるでしょうし、GⅠレースでもそのパフォーマンスに注目が集まります。

 

パンサラッサの4代血統表

 

「先生からは『この馬の競馬をしてくれ』と言われていました。すんなりと行けましたが1、2コーナーでもペースは落とさずに、後ろの馬たちに脚を使わせるようなレースをしました。リードは十分にあったので、これなら大丈夫だろうという手応えはありました。以前に乗せてもらった時よりも返し馬の感じは良かったですし、精神的にも成長を感じました。自分の競馬ができれば強い馬です。こういった競馬で、今後もっと強い相手に勝てるようになってくれればと思います」とレース後に吉田豊騎手はコメント。昨秋以来の騎乗でも、中盤でラップを落とすことはせず、パンサラッサらしい逃げを打たせたあたりはさすが吉田豊騎手。令和に登場した逃亡者パンサラッサ。駒を進める予定の大阪杯(選出されればドバイ国際競走も視野に)でも、その走りに注目が集まります。

 

 

急流の中を追い上げてきたカラテ

 カラテ(4番人気)は首をグッと下げて気迫溢れる周回。踏み込みが深く、迫力満点でした。レースでは脚をためて後方待機策。メンバー最速の上がりを駆使して②着まで追い上げましたが、今回は勝ち馬を褒めるべきでしょう。カラテが使った上がり3ハロンが36秒0。追いかけた組も追走に脚を使わされました。まさに「肉を切らせて骨を断つ」のような逃げをパンサラッサが打ったことが分かります。

 アドマイヤハダル(3番人気)は馬体の張り、艶が良くて、柔らかみのある動きでした。状態はさらに上向いている印象。人気上位馬の中ではアドマイヤハダルダノンザキッドカラテの順に、勝ちを意識したレース運びをしていました。カラテとの着差は早めに動いた分の差だったと考えていいでしょう。1番人気ダノンザキッドは⑦着。直線に向き、一旦は2番手グループに加わりましたが、そこから脚が続きませんでした。能力を出し切っての敗戦とは思えず、川田騎手がコメントしている通り、メンタル面の影響があったようにも感じました。

 

 

 

 

 

 

             text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

【データ泣き笑い】

〇前走クラス・・・勝ち馬は前走GⅠ⑬着、②着馬は前走がGⅢで2番人気③着。前走GⅠ組に関しては着順不問で連対が狙え、条件を緩和する必要がある。

〇前走実績・・・前走がGⅠで1桁着順だったダノンザキッドは残念ながら⑦着に敗れたが、前走GⅠ組のパンサラッサが優勝。今後、勝ち馬候補は前走GⅠ組、前走中山金杯連対馬から選びたい。

 

 

 

《中山記念 2017-21》

 

 

 

 

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