8月28日(日曜)に新潟競馬場で行われた第42回GⅢ新潟2歳S(芝・外回り1600m・2歳・馬齢重量・晴れ・良馬場)はキタウイング(単勝4番人気)が直線で馬場の真ん中からグイッと伸びて優勝。管理する美浦・小島茂之調教師は2015年ロードクエスト以来、当レース2勝目。騎乗した戸崎圭太騎手も2020年ショックアクション以来となる2勝目となった。キタウイングは北海道浦河町ミルファームの生産馬。馬主は(有)ミルファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 バグラダスが内のグラニットを制してハナを奪いました。レース中盤は各馬、それぞれのポジションで折り合いに専念。前半3ハロン通過タイムは36秒6。稍重でスタートし、9R以降に良馬場に回復した芝のコンディションを考慮してもこれはかなり遅いペース。直線は新潟外回りコースらしい横に広がっての追い比べになりました。

 

 

【レース分析】 キタウイング(4番人気)は先週、新潟芝1600mで初勝利を挙げて連闘策での重賞出走。牝馬でもありますからテンションや馬体細化を心配しましたが、パドックでは適度に気合が乗って馬体重は増減なし。強行軍での出走でも疲れがなく、状態が良さそうに映りました。スタートはゆっくりでしたが、戸崎騎手はまったく慌てることなく、折り合いをつけて最後方付近を追走。3~4コーナーは内目をロスなく進み、直線に向いたところで状態の悪くない馬場の真ん中へエスコートします。④着馬と併せる形になるとグイッと伸び、最後は外から伸びた2、3番人気を半馬身交わしてゴール。牝馬らしい瞬発力を存分に生かし、また1頭になってからも極端に脚が鈍ることはなかったようにスピードの持続力も示しました。

 

 

「ゲートで待たされて少し落ち着いてしまったので、スタートはゆっくり出ましたが、初めから後ろの競馬と決めていたのでちょうど良かったです。ペースは淡々と流れて、いいリズムで運べました。直線は外の方が馬場状態はいいですが、そんなに内も荒れているわけではなかったですし、上手に走れていたのでロスのない内めのところを通ってきました。先週、勝ったばかりの連闘でしたが、疲れも感じなかったですし、よく頑張ってくれました。気のいい馬ですが、最後の脚はいいモノがあるので順調に育ってほしいですとレース後に戸崎騎手はコメント。戸崎騎手は前日に4勝、更にこの日もメインレースの前までに3勝の固め打ち。勢いに乗って重賞も制しました。好調とはいえ、初騎乗で存分に末脚を引き出したあたりはジョッキーの手腕。また連闘策でもしっかりと力を出し切ったキタウイングも立派ですね。

 

▲ウインカーネリアンの4代血統表

 

 ②着も連闘で臨んだウインオーディン(3番人気)。結果的に連闘馬によるワンツーという珍しい決着となりました。そのウインオーディンですが、パドックは最後方を歩き、一番最後に本馬場へと入場。そんな陣営の策が奏功し、必要以上に気持ちが高まることはありませんでした。道中は行きたがることなく中団を追走。直線に向くと迷わずに馬場のいい外へ。7枠に同居した同厩舎のシーウィザードと併せる形でこれをキッチリと競り落としましたが、内の勝ち馬には半馬身及ばず。デビューは7月31日。つまり約1カ月の間に3戦を消化する厳しいローテーションを考慮しますと心身のタフさは素晴らしいものがあります。疲れを癒し、次走はどんなパフォーマンスを見せるのか楽しみですね。

 

 

 ③着はシーウィザード(2番人気)。先着を許した2頭はどちらも新潟コースの経験があったのに対し、シーウィザードはコーナー2回の舞台設定、左回りの出走ともに初めて。しかも出遅れてデビュー戦とは異なる控える形に。そんな状況でも勝ち馬から0秒1差なら上々。確かにメンバーレベルに疑問符がつく点はありますが、今後の選択肢が広がったのは間違いありません。1番人気アイスグリーンは⑤着。レース前にイレ込んでしまって消耗。また手頃な頭数に加え、外枠でもあり、道中は前に壁を作れずに行きたがってしまい、お釣りを残すことができませんでした。ただ、馬体は見栄えしますし、姉は重賞ウィナー。精神面が成長してくれば活躍が期待できます。

 

 

 

 text by 藤原 有貴

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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