11月27日(日曜)に東京競馬場で行われた第42回GⅠジャパンカップ(芝2400m・3歳以上・国際・定量・晴れ・良馬場)はヴェラアズールが優勝。騎乗したR.ムーア騎手は2013年ジェンティルドンナ以来となる当レース2勝目。管理する栗東・渡辺薫彦調教師はこれがJRA GⅠ初勝利となった。ヴェラアズールは北海道白老郡白老町社台コーポレーション白老ファームの生産馬。馬主は(有)キャロットファーム

 

それでは、レースを振り返っていきましょう。

 

 

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【展開・ペース】 ユニコーンライオンがハナを切りましたが、3ハロン目からは12秒台のゆったりしたラップが続き、前半1000m通過は61秒1のスローペース。後半1000mは58秒0という瞬発力勝負となりました。

 

 

【レース分析】 ヴェラアズール(3番人気)はパドックで落ち着きがあり、馬体に重厚感も出てきた印象。心身ともに充実一途という印象を受けました。1コーナーに入るあたりで1頭分ほど前に入れて中団を進みます。直線に向くと馬群に包まれ、仕掛けを待たされるシーンはありましたが、馬の間を縫うように捌き、ゴール寸前でグイッと出て勝負を決めました。このあたりはさすがR.ムーア騎手。躊躇せずに狭いスペースに入って行き、人馬一体で瞬時に加速。最後までスピードが緩むことはありませんでした。

 

 

 「過去5戦、芝のレースでいい感じで走れていましたからね。今日はペースがスローで前が塞がる場面があったんですが、上手に縫って走ってくれました。前が詰まる場面が何度もありながらよく走ってくれました」R.ムーア騎手はコメント。ヴェラアズールは体質が弱く、脚元も考慮し、陣営はダートを使いながらじっくりと成長を待ちました。無理をさせなかったことが奏功し、今年3月に芝を使われて一気に才能が開花。父エイシンフラッシュは日本ダービーを勝ちながら同じ舞台のジャパンカップに縁はありませんでしたが、その仔が世界戦を制したのも印象深いですね。

 

ヴェラアズールの4代血統表

 

 シャフリヤール(2番人気)はマイナス6キロと体を絞り、状態面の上積みは十分。スローペースで馬群が凝縮。外枠のため内に入れるスペースもなく、腹を括って後方待機策を選択します。ユーバーレーベンが動いたことでレースがしやすくなり、4コーナー手前から進出を開始します。直線はダノンベルーガの直後を通って前に迫り、左にモタれながらもラスト100mで先頭を捉えましたが、勝ち馬の瞬発力が一枚上でした。ヴェルトライゼンデ(4番人気)は内枠を生かしてスッと前に取りつき、好位を追走。前を射程圏に入れながら理想的なポジショニング。直線の入り口で僅かに仕掛けを待たされたものの、一旦は先頭に立って見せ場十分。レースの組み立ては完璧でしたが、最後は上位2頭の瞬発力に屈しました。

 

 

 デアリングタクト(5番人気)は中1週でも疲れは感じさせず、エリザベス女王杯は映像越しでしたが、今回の方がよく見えました。1コーナーでゴチャついて1頭分ほどポジションが下がり、直線ではシャフリヤールに外から閉められるような格好に。進路を切り替えながら上々の伸びを見せたものの、④着まで。それでも、着差は0秒2差。スムーズに運べていたなら②着に食い込めていたでしょう。ダノンベルーガ(2番人気)は天皇賞(秋)が非常にいい仕上がりでしたから、状態はいい意味での平行線。3コーナー手前でユーバーレーベンに外から被せられて、早めに動かざるを得ませんでした。直線半ばで先頭に立ったものの、残り100mで脚いろが鈍ってしまいました。

 

 

   text by 京増 真臣

 

 

 

 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。

 

 

 

 

 

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