第69回 阪神ジュベナイルフィリーズ(G1)

 勝ったのは新種牡馬オルフェーヴル産駒のラッキーライラック。デビューから無傷の3連勝で戴冠。初年度産駒からいきなりG1馬が誕生しました。石橋脩ジョッキーは2012年天皇賞春のビートブラック以来のG1勝ち。勝利ジョッキーインタビューでは「長かったけど、G1を勝てて良かったです」と嬉しそうでした。管理する松永幹夫調教師にとっては、レッドディザイア、レッドキングダムに次いで3頭目のG1勝ち。それではレースラップです。

1:34.3(12.4 – 11.3 – 11.6 – 12.4 – 12.2 – 11.9 – 11.0 – 11.5)

 一言で表すと「スローの瞬発力」でした。コーディエライトはやはり外枠が影響して、ハナを取りきるまでには至らず、内枠から先制したラスエモーショネスの外を半馬身遅れる形で追走。2列目にラテュロスとロックディスタウン。前の4頭はいずれも掲示板外に沈む結果に。ペースとしては前有利のはずでしたが、ロックディスタウンあたりは力んでいたこともあり、ラスト2ハロン11.0 – 11.5の速い上がりには対応できませんでした。

 勝ったラッキーライラックは出たなりで中団。道中は前にリリーを見ながら、うまく脚を溜めて運べました。直線はリリーの外に出して追い出すと、先に抜け出した相手を交わしてゴールへ。リリーノーブルは好位の後ろでなだめながらレースを進めて、直線は先行勢の外へ。一旦は先頭に立ちましたが、勝ち馬の決め手に屈して2着。3着のマウレアはテンに仕掛ける形。スタートはそう速くはありませんが、内枠で最短距離を走れたことと、周りが速かったことで、勝ち馬の内にうまく納まりました。直線は少し前が壁。開いて追い出すと伸びてきましたが、前を捉まえるまでは至らず。それでも後続には2馬身半差ですから頑張っています。

 この3頭は後ろ過ぎない位置取りと決め手の鋭さで瞬発力勝負に対応。レースの質としては底力を問われるような競馬にはなりませんでした。現時点の完成度の差が現れた気がします。

text by 小林 

※結果・成績・オッズ等のデータは、必ず主催者発行のものと照合し確認してください。